
再生医療ベンチャーの「iHeart Japan」(京都市)は28日、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の心筋細胞などにゼラチン粒子を加えた治療用シートを、拡張型心筋症の患者に移植する臨床試験(治験)を実施したと発表した。5月末に東京女子医科大病院で手術が行われ、患者はすでに退院。今後経過を観察し、安全性と有効性を確認する。
治療用シートは、拍動を担う心筋や血管などの細胞3種類を重ね、ゼラチン粒子を加えて直径約4センチ、厚さ約1ミリに成形。心臓の表面に張ると、細胞から分泌される小胞「エクソソーム」などが作用し、心臓の収縮機能を改善すると期待される。