iPS網膜移植、先進医療は不適=厚労省部会「有効性示せず」
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2025年08月21日 21:31 時事通信社

厚生労働省の専門部会は21日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した網膜細胞を目の難病患者に移植する治療法について、保険診療と自由診療の併用を認める「先進医療」とするのは不適と判断した。症状の改善効果を十分に評価できないことなどを理由とした。
神戸市立神戸アイセンター病院が、臨床研究を先進医療の対象とするよう厚労省に申請していた。研究は、iPS細胞から「網膜色素上皮(RPE)細胞」を作成し、長さ約2センチのひも状に加工して移植する内容で、2033年1月までに15人の患者に移植し、効果を検証した上で、公的保険の適用を目指す計画だった。
ただ、臨床研究は主な有効性の評価を「異常な網膜組織の面積減少」と設定。視力や視野の改善は検証項目から外れていたため、部会では「治療の有用性を判断するのは難しい」などの意見が相次いだ。
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