
10月の星空・天文情報です。6日は中秋の名月が土星とコラボ。また、9日 は「10月りゅう座流星群」、21日 は「オリオン座流星群」が極大となります。今年発見されたばかりのレモン彗星にも注目です。
「秋の四辺形」に注目
10月に入り、日の入りの時刻がずいぶんと早くなってきました。秋の夜長、じっくりと星空を眺めるのもよいでしょう。
日の入り直後には、空の高い位置に、まだ「夏の大三角」を見ることができます。一方で、東の空は秋の星座たちが見られるようになります。
秋の夜空を見上げると、大きな四角形の形に並ぶ4つの星が目につきます。「秋の四辺形」と呼ばれるもので、「アンドロメダ座」のアルフェラッツと、「ぺガスス座」の胴体を作る3つの星を結んできる四角形です。「ぺガススの大四辺形」とも呼ばれます。秋の夜空を彩る四角形は秋の星座のガイド役にもなります。
6日は中秋の名月
今年は10月6日が中秋の名月。
中秋の名月とは、旧歴の8月15日の夜に見られる月のことを指します。
今年は翌7日が満月と日付が1日ずれていますが、この先しばらく満月と一致することがなく、次回一致するのは2030年9月12日です。
お供え物は、月が良く見える場所に台を置いてお供えすると良いでしょう。
十五夜ということで、15個の団子を山のように高く盛り、身近でも手に入るススキをお供えします。ススキには邪気を払う力があると考えられており、中秋の名月のススキには、災いなどから収穫物を守り、次の年の豊作を願うという意味も込められています。
また、今年は中秋の名月の近くに土星が見えます。満月に近い月は、とても明るいため、土星はやや見づらいかもしれませんが、お月見の際は、土星にも気を留めてみて下さい。
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7日は満月「ハーベストムーン」
今年2025年10月の満月を「ハーベストムーン」と言います。本来、「ハーベストムーン」は9月の満月の名称で呼ばれることが多いですが、実はハーベストムーンは、厳密には「秋分に最も近い満月」のことをいいます。そのため、今年2025年は10月7日が「ハーベストムーン」になります。
※2025年の秋分の日は9月22日
各月の満月についている英語名の発祥はアメリカの先住民とされ、「ハーベストムーン」の意味は「収穫の月」となります。彼らが暮らす北アメリカでは、ちょうど秋分のころは農作物を収穫する時期にあたり、ハーベストムーンを収穫時期の目安としていました。ハーベストムーンの月明りが忙しい収穫シーズンの夜を支え、きっと大切に想われてきたことでしょう。
2025年10月の満月は、中秋の名月(10月6日)の翌日、7日12時48分に最大を迎えます。しかも、今年3回あるスーパームーンのうちの最初のスーパームーンでもあり、通常の満月より大きく、明るく輝きます。また、月の近くには土星を見ることができます。
最大を迎える時刻は、昼間の明るい時間帯ですが、中秋の名月の10月6日の夜から7日の明け方にかけてと、7日の夜から8日の明け方にかけて、二晩にわたって、ほぼまんまるの満月を楽しめそうです。
満月は、日没の頃に東の空から昇り、真夜中に南の空を通って、日の出の頃に西の空へ沈みます。お天気に恵まれれば、夜通し見ることができるでしょう。
【参考サイト】
The Old Farmer's Almanac
AstroArts
14日〜20日 月が木星・金星に接近
14日から20日にかけて、月が木星と金星のそばを順に通り過ぎていきます。
まず13日の深夜から14日の明け方に、月が木星の近くに見えます。
その後、19日と20日の明け方には、月と金星が接近します。ただ、月が細く、低空ですので、東の方角を見渡せる場所で夜空を眺めてみて下さい。
(国立天文台HP参照)
21日ごろ レモン彗星が4等前後
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レモン彗星は、2025年1月に米・レモン山天文台での観測によって発見されました。
今月、レモン彗星(C/2025 A6)が明るくなると予想されています。
上旬から中旬は、未明から明け方の北東の空に見えます。15日ごろからは、夕方から宵の北西から西の空でも見えるようになり、明るさは4等前後の見込みです。
明け方の空では、おおぐま座の足先の星やりょうけん座のコルカロリを、夕空では、うしかい座のアルクトゥールスなどを目印にして、レモン彗星を見つけてみましょう。
(AstroArts HP参照)
9日 「10月りゅう座流星群」、21日 「オリオン座流星群」が極大
9日は「10月りゅう座流星群」の活動が極大に。極大時刻は4時ごろと予測されていて、放射点の高度を考慮すると8日深夜が見やすい時間帯となります。
満月過ぎの月明かりの影響が大きいため、目にできる流星数は1時間あたり数個程度。数はあまり多くないものの、「10月りゅう座流星群」の流星はフワッとゆっくり流れる独特な飛び方ですので、観察してみるものよいでしょう。
また、21日は知名度の高い「オリオン座流星群」が極大となります。ピークがなだらかなので、前後数日間観測でき、どの日でも放射点が昇ってくる22時ごろから夜明けがはじまるころまでが観測チャンス。ちょうど21日が新月なので、観測条件は良く、1時間あたり10個程度の流星が期待できます。
どちらの流星群も全天どの方向にも飛びますので、防寒対策をして空を広く見渡してみましょう。
(AstroArts HP参照)