大阪府岸和田市発注の公共工事の入札情報を業者に漏らし、現金計1900万円の賄賂を受け取ったとして、大阪地検特捜部は14日、前岸和田市長の永野耕平容疑者(47)を収賄罪と官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害罪で追起訴した。
一方、特捜部は、永野前市長から入札情報を受け取り、賄賂を渡した疑いがあるとして大阪市の建設会社の代表取締役(当時)を在宅のまま捜査していたが、14日に不起訴処分とした。
関係者によると、代表取締役は起訴内容を認めているとされる。2000万円近い贈収賄事件で贈賄側の刑事責任が問われないのは異例。特捜部は「(代表取締役の)プライバシーに関わる」などとして詳しい理由を明らかにしていない。
起訴状によると、永野前市長は市が2021年8月と24年5月に予定していた配水管工事の入札2件について、実施の数日前に代表取締役に携帯電話で最低制限価格を伝達。同額で代表取締役側に落札させ、23年5、7月、24年11月の3回にわたって計1900万円を借り入れたとされる。
永野前市長は大阪市内の飲食店や路上に停車した乗用車内で現金を受け取っていたといい、代表取締役とは低金利・無担保の条件で約5年で返済すると約束していたという。特捜部は、市が21年5月に実施した入札でも代表取締役に最低制限価格を漏らしたとして永野前市長を起訴していた。
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岸和田市の佐野英利市長は「誠に遺憾。再発防止策の徹底と入札制度の見直しを進める」とのコメントを出した。【飯塚りりん、中村宰和】
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