《男性芸人“演技派”ランキング》原田泰造を1票差で制したのは向田邦子賞も受賞した“ピン芸人”

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2025年10月24日 11:00  週刊女性PRIME

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本職に負けない!演技派だと思う男性芸人俳優ランキングTOP5

 いよいよ出そろった2025年秋ドラマ。近年、ドラマに欠かせないのが芸人たちの存在で、中には本職の役者をしのぐ演技を見せる芸人も少なくない。そこで、全国の男女300人にアンケートを実施。「本職に負けない、演技派だと思う芸人は誰ですか?」

マルチな才能を発揮する男性芸人たち

 男性芸人のランキングを見てみよう。5位は富澤たけし(51歳)で、16票獲得。

 お笑いコンビ、サンドウィッチマンのボケ担当で、役者としても活躍。

「『マイファミリー』のイメージがランキングにつながったのでしょう」

 と話すのは、作家で芸能評論家の宝泉薫さん。

 '22年の日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)にキーパーソンの警視役で出演し、大きな話題を呼んだ。

「日曜劇場は昔から芸人枠があって、しかも彼の場合、すごく重要な役だった。サンドウィッチマンのネタ自体芝居がかったコントで、だからそつなくこなしていたと思います」(宝泉さん)

4位は昨年24年ぶりに連続ドラマ主演

 4位は木梨憲武(63歳)で、17票獲得。アンケートには、

「俳優で役を演じても自分らしさを失わないところがすごい」(広島県・男性・48歳)

 との声が。宝泉さんは、

「役者としての実績は相方の石橋貴明さんのほうがあり、ハリウッド映画『メジャーリーグ』シリーズで大きく当てている。でもやっぱり器用なのは木梨さんのほう」

 '98年の『甘い結婚』(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演。昨年『春になったら』(フジテレビ系)で24年ぶりに連続ドラマ主演を務めた。

「木梨さんはアートも得意で歌もうまいし、声優もこなす、何でもできるタイプ。でもこういうタイプは芸人の中ではそんなに珍しくなくて、例えばダウンタウンの浜田雅功さんもそう。ただ浜田さんはここしばらくドラマに出ておらず、木梨さんは直近の『春になったら』の熱演があって票を集めたのでしょう」(宝泉さん)

 3位は塚地武雅(53歳)で、23票獲得。アンケートには「『裸の大将放浪記』の山下画伯が印象的。ほかの俳優と比べても違和感がない」(奈良県・女性・49歳)

「佐々木蔵之介と兄弟役を演じた『間宮兄弟』で好きになった」(大阪府・女性・58歳)

「外見はカッコよくないのに演じている役に惹き込まれる」(神奈川県・女性・64歳)

 との声が集まった。

「いろいろな作品に出ているけれど、基本的にどれも塚地さんそのもの。ルックスを生かして活躍しています。もちろんそれを求められているのだから、それでいい。自分の役割をきちんと果たしつつ、作品の雰囲気も壊さないのが彼の良さ」(宝泉さん)

 佐々木蔵之介とのダブル主演映画『間宮兄弟』('06年)で数々の新人賞を獲得。この10月にスタートした『緊急取調室 5th SEASON』にも出演中だ。宝泉さんは、

「ぽっちゃりキャラの芸人はほかにもいるけれど、塚地さんは目が優しい。男女問わず愛される。ホームドラマで橋本環奈さんのお父さん役を演じたことがあったけど、彼が出ることによってちょっと雰囲気が和らいだ。橋本さんの役の庶民性を際立たせるために、あえて塚地さんをキャスティングした気がします。父親役が自然にできるという意味では、ほかにはなかなかないキャラクター」

役者にしか見えない2位

 2位は原田泰造(55歳)で、52票獲得。アンケートには、

「普通の人にも見えるし変な人にも見える」(長崎県・女性・53歳)

「芸人というより俳優としての実力があり演技もうまい。ルックスも芸人というより役者的で知性もある」(新潟県・男性・69歳)

「芸人とは思えないほど演技がうまいし印象に残る俳優さん」(宮城県・女性・56歳)

「自然体で、主役の脇で良い仕事をしている感じ」(三重県・女性・58歳)

 との声が集まった。

「ドラマに出ると、もう芸人ではなく役者にしか見えない。それができている数少ない人。ここまで抜きん出ている人はほかにいない」

 と、宝泉さん。お笑いトリオ、ネプチューンのボケ担当。役者としても売れっ子で、NHK大河ドラマ『篤姫』('08年)の大久保利通役から、主演作『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』('24年・東海テレビ系)で演じたサラリーマンまで役も幅広い。また年明けスタートの朝ドラ『風、薫る』にも出演が決まっている。

「トリオは三者が自分の役割を理解して対等に振る舞うことで成り立つもの。ネプチューンはそれがすごくうまくできている。だから彼は主役であれば主役に収まることができるし、脇役のときはちゃんと脇役に収まることができる。しかもキャリアも重ねてきている。これからも役者として重用されていくと思います」(宝泉さん)

脚本も、独演もできる1位

 1位はバカリズム(49歳)で、53票獲得。アンケートには、

「脚本ができるので自分の特色を出せている」(広島県・男性・65歳)

「『ブラッシュアップライフ』での役。良い意味でドラマの中でもバカリズム」(島根県・女性・35歳)

「脚本を書けるのがすごい。演技も自然で良い」(静岡県・女性・47歳)

「脚本も、独演もできる。ものの見方が多彩で、独自性もある」(北海道・男性・69歳)

 との声が。

「バカリズムの1位はおそらく脚本込みの評価。彼の能力は、構成力であり演出力。自分で自分に当て書きをしているから、やっぱりどれもバカリズムっぽい役になる。ほかの脚本でちゃんと芝居ができているかというと、事例がほとんどないのでなかなか評価しがたいけれど」

 と、宝泉さん。原作・脚本・主演を務めた『架空OL日記』('20年・日本テレビ系)で向田邦子賞を受賞。脚本・出演の『ブラッシュアップライフ』('23年・日本テレビ系)はXの世界トレンド第1位に。宝泉さんは、

「自分が書いているとはいえ、自分をいち役者と捉えてドラマの中に置き、バカリズムらしさを裏切らない演技ができる。純粋な演技派とは言い難いけれど、きっちり作品に仕立てているのは間違いない。コントを作って、それをドラマにできる。その第一人者」

芸人たちが重宝される理由とは

 ドラマや映画で役者と肩を並べて活躍する芸人たち。その役割を宝泉さんがこう話す。

「ドラマの制作陣にとっては、その芸人のイメージをお借りする感じ。実験的な作品をやるときや、いわゆる女優さんには頼めない役をお願いすることになる。今は役者の美男美女率が高くなってしまっていて、だから逆に芸人が重宝される。

 プラスアルファの存在として芸人が必要になる。例えるなら、うな重についてくる奈良漬。やっぱりそういうものがないと寂しいですからね」

 今クールドラマの芸人の活躍は? 本職をしのぐ芝居心を見せるのは─。

<取材・文/小野寺悦子>

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  • 今野浩喜でやっぱ、今野でしょ。
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