比例「狙い撃ち」野党反発=維新強気、自民異論も―衆院定数削減

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2025年10月25日 15:01  時事通信社

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時事通信社

衆院本会議で所信表明演説をする高市早苗首相(壇上)=24日午後、国会内
 自民党と日本維新の会が合意した衆院議員定数(465)の1割削減方針に野党から反発や懸念が相次いでいる。提起した維新は比例代表の50程度の削減を主張し、「ばっさりいったらいい」(藤田文武共同代表)と強気。比例を重視する中小政党は「狙い撃ち」と受け止め、警戒を強めている。

 維新の藤田氏は24日の記者会見で、比例削減が「一番スピーディーだ」と断言。「突っ切るのは乱暴」と述べつつ、迅速な実現を目指す姿勢を鮮明にした。自維の合意書は衆院定数1割削減を目標とし「臨時国会に議員立法を提出し、成立を目指す」と明記。維新はこの合意が順守されなければ連立離脱も辞さない構えだ。

 比例代表の当落が党勢に大きく影響する野党は危機感を募らせている。参政党の神谷宗幣代表は24日、記者団に「唐突な話だ。与党だけで数の力で押し切っていいものではない」と述べ、与党方針を批判した。

 参政は7月の参院選で躍進したが、獲得した14議席のうち半数の7議席が比例だった。党幹部は「比例削減は中小政党つぶしだ」と憤る。

 衆院の小選挙区比例代表並立制は「平成の政治改革」で、政権交代可能な二大政党制の実現を促すと同時に、多様な民意をすくい取るために生まれた。近年、世論の「風」に左右されやすい点など弊害が指摘されるのは、むしろ小選挙区制の方だ。

 共産党の田村智子委員長も「小選挙区は民意が切り捨てられてしまう」と記者団に指摘し、比例削減に反対を表明。公明党の斉藤鉄夫代表は「各党が入って丁寧に議論をして進めるべきものだ」と慎重な検討が必要と訴えた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は定数削減に賛成しつつも、詳細な内容を見極めたい考えだ。立憲民主党の野田佳彦代表は「小選挙区と比例のバランス」が必要とし、小選挙区も削減対象にすべきだと主張する。小選挙区の削減は自民の現職議員の選挙区調整に大きな影響を与えるため、自民へのけん制とみられる。

 自民内でも異論が出ている。選挙制度の検討に携わってきた逢沢一郎衆院議員は「いきなり定数削減は論外だ」と苦言を呈し、萩生田光一幹事長代行も野党との合意を図るべきだと主張。今後、比例選出議員から反発が強まる可能性もある。 

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  • 定数削減しても経済効果はあまりありません。 国民生活にあまり影響はありません。 消費税廃止で多くのことが解決できます。 消費税廃止が最優先です。
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