山田裕貴、佐藤二朗をリスペクト「芝居の幅が本当にすごい」『爆弾』舞台挨拶 自らチラシ配りも

4

2025年11月10日 13:01  cinemacafe.net

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

cinemacafe.net

『爆弾』(C)呉勝浩/講談社 (C)2025映画『爆弾』製作委員会
映画『爆弾』の大ヒット御礼舞台挨拶が11月8日(土)に大阪、9日(日)に名古屋で行われ、主演の山田裕貴と永井聡監督が登壇した。

呉勝浩のベストセラー小説を映画化した本作は、公開4日間(10月31日〜11月3日)で動員37万9013人、興行収入5億2045万円を突破する大ヒットスタートを切り、動員・興行収入ともに邦画実写映画で初登場第1位を獲得している。

11月8日(土)、大阪ステーションシネマで行われた舞台挨拶では、主人公・類家を演じた山田が、満席の観客を前に「大阪に限らず、全国でどれだけ『爆弾』に興味を持っていただけているのか気になっていたので、こうしてたくさんの方にお越しいただけて本当に嬉しいです」と感慨深げに挨拶。

「今日初めて観るという方?」という山田の問いかけには多くの手が挙がり、「めちゃくちゃ嬉しい!初めての衝撃たるやないと思うので、このあとのSNS感想が楽しみです!」と満面の笑みを見せた。また、「僕は名古屋出身なんですけど、吉本新喜劇を観て育ったこともあって大阪の人が大好きなんです。子供の頃から観ていたので、こういうステージに立つとズッコケたくなりますね」と“大阪愛”を語り、会場を沸かせた。

公開から1週間、すでにヒットの手応えを感じているという山田は、「映画が公開された翌日に“大ヒット公開中”というCMを見て、いつも『本当かな?』と思っていたんですけど(笑)。『爆弾』はマジで、僕のもとに熱狂的な感想や絶賛の声が届いていて、『あの大ヒットって本当なんだ!』と初めて信憑性を感じました」と喜びを語った。

永井監督のもとにも山田への称賛が多数寄せられているといい、「類家は原作でも難しいキャラ。もじゃもじゃ頭に眼鏡という漫画的な見た目だけど、スイッチが入るとすごくかっこいい。その両面をリアルに成立させた山田くんは本当にすごい」と語ると、山田も「あの難しいキャラクターをよくリアルに落とし込めたなっていう、そういうところですよね!」と自画自賛し、笑いを誘った。

また永井監督は、「類家は刑事だけどスニーカーを履いているのが特徴で、廊下を走ると“きゅっきゅっ”と鳴る。その音も印象的なので注目してほしい」と細部へのこだわりも明かした。

そして話題は、SNSでもその怪演ぶりで話題沸騰、謎の男・スズキタゴサクを演じた佐藤二朗について。山田は、「タゴサクには信念も哲学もなく、何かひけらかしたいわけでもない。ただ“僕はこうだ”という存在を、類家や観客の皆さんに突き付けて、ゾワゾワさせるんです。二朗さんのその芝居の幅が本当にすごくて。役の捉え方や脚本の読み方も含め、『僕もこうならなければ一流とは言えないな』と思わされました。最大のリスペクトをこめて、怖い存在でした」と、佐藤への深い敬意と受けた刺激について熱弁した。

一方永井監督は、衣装合わせのエピソードも披露。「類家のスーツの衣装合わせのとき、山田くんの体型が良すぎて、どんなスーツを着てもモデルみたいで(笑)。ダサいスーツを着せてもかっこよくなってしまうので大変でした」と、意外すぎる苦労を挙げて会場を盛り上げた。対する山田も「結局ずらっと並んでいる中で、一番安いスーツが一番しっくり来たんですよね。それから撮影用に、形は一緒だけど生地は良いものを仕上げたりしています」とこだわりを明かした。

撮影で苦労した点については、山田が取調室シーンを挙げた。「カメラ位置が限られる中で、僕らのお芝居をストレートに映してくださるのが嬉しかった」と振り返ると、永井監督も「カメラアングルに凝ろうと思えばいくらでもできるけど、お客さんは類家やタゴサクの表情を見たいだろうと思って。二人のシーンでは、二人芝居だと思って託すことにしました。結果本当にいい芝居をしてくれて助かりました」と絶賛した。

さらに、舞台挨拶の後には山田の熱望により、来場客への「爆弾」チラシ配りも実現。主演俳優としてさらなる大ヒットを願い、「『爆弾』もお願いします!」と一人一人にチラシを手渡す山田。来場客が驚き歓喜の声を上げる中、笑顔でチラシを配り続けていた。

11月9日(日)では、山田裕貴の故郷・愛知県名古屋市のミッドランドスクエア シネマにて、大ヒット御礼舞台挨拶を実施。上映後、熱気冷めやらぬ観客の前に二人が登場すると、会場は大歓声と拍手に包まれた。

山田は「お客さんがたくさん入ってる劇場を見られる、こんなに幸せなことはない。本当にありがたいです。そんな作品の主演であれることを誇りに思います。観終わった今、みなさんの心にモヤモヤを与えているのはスズキタゴサクかもしれませんが…この作品を楽しんでいただけたら嬉しいです!」と笑顔で語った。永井監督も「この映画は、愛知県が生んでくれたこのイケメンと、不気味なおじさんと、中日ドラゴンズさん、そして名古屋のみなさんのおかげです!」と名古屋愛たっぷりに感謝を述べると、会場から大拍手が沸き起こった。さらに、スズキタゴサクが劇中で被っている中日ドラゴンズの帽子が「実際に選手の帽子を製作しているところで、映画用に作っていただいたもの」と明かし、地元との深いつながりをアピールした。

山田は「こうして故郷に映画を持って帰ってこられるだけでありがたいです。本当に、母ちゃんか親戚かな?って思うくらい盛り上がっていただいて…!」と嬉しそうにコメント。さらに試写会やヘルシンキ国際映画祭でのワールドプレミア上映、そしてプライベートですでに3回本作を鑑賞しているという山田は、「この映画は音にもこだわっているので、音の良い環境で観たくて3回目はドルビーアトモスで観ました。自分が出ている映画なので、反省点を探しながら見てしまうこともあるんですけど、ようやく3回目で冷静に観られたというか。3回観てもまだ面白いのか!という、本当に総合力の高い作品だなと思いました」と熱弁。

永井監督も、特に音響に対しては並々ならぬこだわりを持っていたといい、「『爆弾』というタイトルから爆発を期待されると思ったので、映像も音も胸に迫る立体感を意識しました。爆発シーンは、エキストラを入れて基本的に火薬を使って本当に爆発させています。伊藤沙莉さんと坂東龍汰さんの巡査コンビが直面するバイクの爆発シーン、あそこでの彼らのリアクションも本物です」と、撮影秘話についても明かしていた。

山田は、「爆発シーンで逃げ惑う人々や、警察の特殊部隊が出動する一瞬のカットまで気合が入っていて素晴らしい。僕がめっちゃ好きなのは、代々木公園の爆破のシーン。救助に来た人が目の前の怪我人を横切ってしまう描写があったり、現場の混乱が伝わってきてすごい迫力でしたね」と語り、興奮冷めやらぬ様子。

話題は、スズキタゴサク役・佐藤二朗との対峙シーンへ。山田は、「二朗さんの膨大なセリフ量、波を作って観客を引き込む芝居、アドリブの妙……本当にすごい方。熱量もテンポも落とさず、新たな発見があればセッションしようとしてくれて、楽しすぎてまさに類家の気持ちでした。『はー!楽しいー!』と思える現場でした!」と語り、満面の笑み。永井監督も「渡部篤郎さんが佐藤さんを“二朗”、佐藤さんが山田くんを“裕貴”と呼び合う関係性も微笑ましかった」と、現場の和やかな空気を振り返った。

大先輩たちとの共演について、山田は「今年は『木の上の軍隊』『ベートーヴェン捏造』、そして『爆弾』と、5か月間ですべて撮影していて、その間に錚々たる先輩俳優の方々と向き合い続けてきた。天から修行させられているようで、毎日120%で挑んでいました」と俳優人生の充実ぶりを語る。

主演俳優として特に感謝を伝えたい相手を問われると、山田は「とてつもなく面白い原作を生み出してくださった呉勝弘先生、そして永井監督はもちろん、キャスト、スタッフ、全員に感謝しています」と感慨深げに語り、「僕のばあちゃんが別の劇場でウン十年ぶりに映画を観ているらしくて、それもすごく嬉しいです。爆発のシーンとか心配ですけど…無事を祈ります!(笑)」と笑いを誘っていた。

舞台挨拶の最後に、永井監督は「みなさんに観ていただくことが映画にとって一番幸せなので、気に入ってくださったらぜひまたお越しください。そしてみなさまのお力でもって、『爆弾』を広めていっていただきたいと思います」と呼びかけた。

山田は、「『爆弾』は、“踏みとどまれるか、踏みとどまれないか”を描いた映画だと思っています。類家は、踏みとどまれる人。世界を、社会を、人間をあきらめていても踏みとどまれる人なんです。タゴサクは、踏みとどまれなかった人だと思う。人の優しさや孤独を思い出させてくれる作品です。だけど、悪い人が本当に悪さをしたくしているのか、そこには何かあるんじゃないかと思えるだけで、人に優しくできる気がしていて。もしタゴサクのような状況になったとき、自分は踏みとどまれるか。そう問いかけてくれる映画だと思います。この映画がどんな形でも、たくさんの人の心に届いたら嬉しいです。そしてみなさんの感想で、ぜひ『爆弾』を“爆発”させてください!」と熱いメッセージを送った。

『爆弾』は全国にて公開中。





(シネマカフェ編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • 原作は面白かった。完結していないのでちょっと不満。なので映画にも行かない。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ニュース設定