2025スーパー耐久第7戦富士 決勝スタート 12月4日に『第46回 2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー』の最終選考会が神奈川県横浜市のボッシュ本社にて開催された。栄えある“今年の1台”にはスバル・フォレスターが選出されており、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は選考会終了後に授賞理由を公式サイトで明らかにした。
また、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーとデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞した『フォルクスワーゲンID.Buzz』、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーの『ポルシェ911カレラGTS』、実行委員会特別賞を授与された『ポルシェエクスペリエンスセンター東京』と、スーパー耐久シリーズを開催する『スーパー耐久未来機構(STMO)』への授賞理由もあわせて発表されている。
2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー:スバル・フォレスター
【授賞理由】 スバル・フォレスターは、走行性能、実用性、快適性、オフロード性能、そしてスバルが一貫して重視してきた安全性を高い次元で融合したSUVとして高く評価された。待望のストロングハイブリッド(S:HEV)の採用により、独自技術である水平対向エンジンは、燃費性能と走りの愉しさを両立する“スバルらしい環境エンジン”へと進化。さらに、アイサイトXをはじめとした先進運転支援技術や、歩行者だけでなくサイクリストの傷害低減にも寄与するエアバッグなど、安全装備の進化も高い評価を集めた。
2025-2026インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:フォルクスワーゲンID.Buzz
【授賞理由】 フォルクスワーゲン ID.Buzzは、BEV(電気自動車)のフルサイズミニバンという、現在国内市場では唯一無二の存在であり、BEVとしての完成度も極めて高い。電気自動車ならではのパッケージングが、ミニバンとしてゆとりある居住空間を実現し、BEVミニバンという新たなカテゴリーを切り開いた。さらに、“ワーゲンバス”として親しまれたType 2の魅力を現代的に継承したエクステリアデザインは、運転者のみならず周囲の人々までも笑顔にする存在感を放ち、高い評価を獲得した。
2025-2026デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:フォルクスワーゲンID.Buzz
【授賞理由】 いまなお色褪せない人気を誇るワーゲンバス(Type 2)のヘリテージを受け継ぎ、それを現代的に解釈したID.Buzzのエクステリアデザインは、ひと目でわかる強い個性を備えながら、誰にでも懐かしさと愛らしさを感じさせる魅力を放っている。テクノロジー優先で無機質になりがちな時代において、自動車にはエモーショナルな価値が不可欠であることを改めて示した意義は大きく、その存在はデザインのあり方に新たな視点を投げかけた。
2025-2026テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:ポルシェ911カレラGTS
【授賞理由】 ポルシェ911の長い歴史のなかで初めて採用されたハイブリッドシステム『T-Hybrid』は、運動エネルギーだけでなく熱エネルギーまで回生する、モータースポーツ由来の先進技術を搭載している点が大きな特徴である。電動化=エコという既成概念にとらわれない、ハイブリッド技術の新たな方向性を示すとともに、スポーツカーとしての走りの魅力を一切損なうことなく環境性能を高めたポルシェの技術力は高く評価された。
実行委員会特別賞:ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京
【授賞理由】 2021年10月の開設以来、ポルシェジャパン株式会社は『地域との共生』を掲げ、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京 (以下PEC東京)が位置する千葉県木更津市との連携による地域活性化プログラムをはじめ、東京大学との共同プロジェクトとして若年層向けスカラーシッププログラムを展開するなど、社会的意義の高い取り組みを継続してきた。
PEC東京は、単なるプレミアムブランドの発信拠点にとどまらず、『モビリティ社会に開かれたスポーツカー文化のプラットフォーム』として、企業と地域、そして人とクルマをつなぐ持続的なモデルを提示した。その先進的な社会連携の姿勢と具体的な成果は、日本の自動車文化のさらなる発展に寄与するものとして高く評価される。
実行委員会特別賞:スーパー耐久未来機構(STMO)
【授賞理由】 スーパー耐久レースを運営するSTMOは、2021年(当時:スーパー耐久機構)、試作車両などの参戦を可能にする『ST-Qクラス』を新設した。これにより、TOYOTA GAZOO Racing、株式会社SUBARU、株式会社ホンダ・レーシング、MAZDA SPIRIT RACING、日産自動車株式会社/日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社が試作車両を投入し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、株式会社ブリヂストン、ENEOS株式会社とともにカーボンニュートラル燃料や水素燃料などを活用した先進的な取り組みを開始した。
さらに2025年には、日本自動車会議所とともに、アメリカンモータースポーツの象徴であるNASCARのデモランなど、国際交流の新たなステージを切り開き、モータースポーツを通じて日米の文化交流を促進する『ST-USAクラス』を新設した。2021年から続く革新的な試みと、2025年の新たな挑戦は、モータースポーツの未来を示す取り組みとして高く評価される。
なお、最終選考会が開催された会場にはスーパー耐久未来機構を代表して桑山晴美副理事長が登壇。実行委員会特別賞のトロフィーを受け取り、以下のように喜びの声を語った。
「このような賞を受賞できるとは夢にも思っておりませんでした。スーパー耐久ST-Qクラスは未来に向けた挑戦をしており、2020年夏に即決断をさせていただき、2021年の5月の富士24時間大会には水素エンジンを搭載する車両が走るというところからスタートしました。その後はカーボンニュートラル燃料や市販車へのフィードバック、今年に関してはエネオスE20という新しい燃料も実験をしています」
「私たちは、この場を提供させていただいているだけでございまして、未来に向かって挑戦されている国内5メーカー、エネオス、ブリヂストン、皆さまの受賞だと思っております。また、モータースポーツというレースのなかで、こういった挑戦を許していただいている参加エントラントの皆さまにも、この場を借りてお礼を申し上げたいですし、エントラントの皆さまとともに受賞させていただいたと思っています」
「ST-Qクラスは未来に向けた挑戦が今も続いておりますが、私は個人的に、挑戦はもちろんなのですが、メーカー同士の絆がすごく深まっているように感じます。それがメーカーの垣根を超えて新しい未来を作っていくのではないでしょうか。本日は多くのメディアがお越しになっていますが、モータースポーツやクルマという専門的な内容だけではなく、一般の方にもこのような挑戦が続いていることを、ぜひわかりやすい言葉で記事にしていただけることを切に願っています。本当にこのような賞を受賞させていただき、本当に誇りに思っております」
[オートスポーツweb 2025年12月04日]