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帝国データバンクが行った2025年冬シーズンの「クリスマスケーキ」価格調査によると、全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、著名な洋菓子店など計100社で販売される「クリスマスケーキ」の価格(ホール型5号、4〜6人向けサイズ)の平均価格は4740円(税抜)であった。前年に比べて179円、3.9%の値上げとなり、物価高の影響で多くのクリスマスケーキが値上げを余儀なくされている。
値上げ幅は、昨シーズンの149円(3.4%増)から、今シーズンは0.5ポイント拡大した。値上げラッシュが本格化する前の2021年冬シーズンと比較すると、価格は約2割(約900円)上昇している。
前年から値上げした企業は100社中62社で、昨シーズンから5社増加した。値上げ幅の内訳では「200円以下」が27社で、昨シーズンの32社からは減少した。一方、「400円台」の値上げは9社、「500円以上」は17社となり、過去最多だった2023年シーズンに次ぐ、直近4シーズンで2番目の高水準となった。
●イチゴは猛暑で価格高騰、卵・チョコも上昇
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2025年のクリスマスケーキは、昨シーズンに比べて、イチゴ、乳製品、カカオなど主要原材料の価格上昇の影響を強く受けている。帝国データバンクが、ショートケーキ(ホール)にかかる原材料コストを、店頭価格を基準に「ケーキ原価」として算出した結果、2025年10月時点の平均は1543円だった。前年同月(1518円)と比べ、原材料分だけで1.6%(25円)上昇した。
イチゴは猛暑の影響によって生育が不安定となり、11月時点の市場価格は前年比10〜30%前後の値上がりとなった。クリスマスシーズンにかけて、さらなる価格上昇が見込まれている。鶏卵は生産コストの高止まりに加え、鳥インフルエンザの感染拡大に伴う供給不安を背景に、前年比2割高で推移している。「エッグショック」と呼ばれた2023年に迫る高値圏である。チョコレートは、原材料のカカオが主産地である西アフリカの異常気象の影響を受け、記録的な高値となっており、前年比で3割以上の値上がりとなった。
食材以外にも、テイクアウト用の化粧箱や食品フィルムなどの包装資材の価格が大幅に上昇している。加えて、人件費や光熱費といった製造コストも上昇しており、クリスマスケーキの利幅は年々縮小しているとみられる。
帝国データバンクは、「低価格品への人気集中といった『値上げ疲れ』が色濃く反映される一方、『特別な日に高級ケーキを楽しみたい』というメリハリ消費の傾向もみられるなど、二極化の様相を呈している」と分析している。
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