警察幹部「規律の緩み懸念」=相次ぐ不祥事、兵庫は過去最多
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2025年12月24日 15:01 時事通信社

全国の警察で不適切な捜査や違法行為などによる懲戒処分が相次いでいる。処分件数は過去10年で最多の水準で、警察幹部は「組織全体の規律の緩みが懸念される」と顔を曇らせる。
警察庁によると、上半期に懲戒処分を受けた全国の警察官や職員は、前年同期比40人増の154人と過去10年で最多だった。下半期も大川原化工機の冤罪(えんざい)事件やストーカー被害を訴えた川崎市の女性殺害事件で捜査幹部らが処分されるなどし、佐賀県警のDNA型鑑定不正に伴う特別監察も続いている。
都道府県警別でみると、兵庫県警は上半期の懲戒処分者数が20人と全国ワーストで、下半期も処分が続出している。今月だけでも、オンラインカジノで賭博をした巡査部長ら9人を停職や減給に。ほかに、勤務中に飲酒やパチンコをした警部補らも停職とするなど、監督責任を問うた上司を含め、18人を処分した。1月からの懲戒処分者数は計48人(22日時点)で、記録が残る過去10年で最多となった。
警察庁の楠芳伸長官は18日の定例会見で、全国で相次ぐ不祥事について触れ、「警察組織全体の規律の緩みが懸念され、重く受け止めている。強い危機感を持ち、誇りと使命感を持って国家と国民に奉仕するという、警察のあるべき姿、原点に立ち戻るよう指導を徹底し、信頼回復に努めたい」と話した。
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