物価高が長引く中、今回の衆院選では与野党がこぞって消費税負担の軽減を公約に掲げた。自民党は食料品について2年間免除する措置の「検討を加速する」と明記。中道改革連合は食品消費税ゼロの恒久化を今秋に実施すると訴える。市場で放漫財政への警戒感が広がっており、財源を巡る議論も焦点となる。
自民は昨年夏の参院選で、即効性がないとの理由から消費税減税を否定し、惨敗した。今回は高市早苗首相(党総裁)の「悲願」として転換。ただ、党内の慎重論を踏まえ、財源や開始時期は超党派の「国民会議」の議論に委ねると記すにとどめた。
連立政権を組む日本維新の会も足並みをそろえた。昨夏も「2年間ゼロ」を主張しており、藤田文武共同代表は「維新がアクセル役となる」と意気込む。
対する中道は、今秋から食品消費税をゼロとする方針を示した。財源には基金の取り崩しや特別会計剰余金の活用、新設する政府系ファンドの運用益を充てるとし、野田佳彦共同代表は「市場にも配慮した内容だ」と説く。
国民民主党は、賃金上昇が物価上昇を上回るまでの措置として、消費税率の一律5%への低減を提唱した。
共産党は消費税廃止へまず5%に引き下げると提起。れいわ新選組と減税日本・ゆうこく連合、参政党、社民党は「廃止」、日本保守党は「食品ゼロ恒久化」を打ち出した。
チームみらいは社会保険料の引き下げを優先するとして、減税を盛り込まなかった。
関心が高い外国人政策では、自民が外国人による不動産取得情報を把握できる制度の導入を目指す一方、「ノー移民国家」を唱える参政は受け入れ制限や不法滞在の取り締まり強化を呼び掛ける。中道は「互いを尊重して暮らせる環境整備」を掲げた。
日中関係悪化など緊張が高まる安全保障環境への対応を巡っては、自維は防衛費増を含む安保関連3文書の前倒し改定を表明。中道は「安保法制が定める存立危機事態での自衛権行使は合憲」と記し、集団的自衛権行使を事実上容認する姿勢を示した。
「政治とカネ」に関し、自民は企業・団体献金維持の立場から「禁止よりも公開」を主張するが、維新は「企業・団体・組合などによる献金は全面禁止を目指す」とした。中道と国民民主は献金の受け皿規制、共産やれいわは禁止を訴える。