長崎大の研究グループが撮影したカニ(同大提供) カニの「横歩き」は約2億年前の祖先に起源があるとする研究結果を、長崎大大学院の河端雄毅准教授(生態学)らのグループが発表した。河端准教授は「左右どちらにも素早く移動でき、移動する方向が予測されにくいなど、捕食者からの逃避に利点がある」とした上で、横歩きへの進化が、カニ類の多様化や繁栄に寄与した可能性があるとしている。論文は4月、生命科学分野の国際学術誌に掲載された。
研究グループは50種のカニが水槽の中で行動する様子をビデオで撮影。歩き方で分類したところ、横歩きが35種、前歩きが15種だった。このデータを、遺伝子レベルで解析された最新の系統樹と照らし合わせて、どの時代に起源があるのかを推定した。
その結果、前歩きの祖先から約2億年前の前期ジュラ紀に横歩きに1度だけ進化し、その後も多くの種で失われることなく維持されてきたことが示唆されたという。
また、進化当時の地球では「パンゲア」と呼ばれる一つの巨大大陸が分裂したり、浅い海域が拡大したりするなど環境が変化してカニ類が利用できる生息域が広がり、多様化しやすい条件が整っていた可能性もあるとしている。