ゴカイ類が小石で巣を作ったプラスチック製のボトルキャップ(直径約3.5センチ)。多様な生物が生息する小さな「生態系」となり、フィリピン沿岸から漂流して高知県沖で回収された(名古屋大臨海実験所提供) 海洋研究開発機構の研究船「かいめい」が高知県沖で浮いていたプラスチック製のボトルキャップを回収したところ、内側にゴカイ類が粘液と小石で巣を作り、多様な生物が生息する「生態系」ができていた。海洋機構や名古屋大、京都大、福井県立大などの研究チームが19日までに発表した。
直径約3.5センチのキャップには、フィリピンの飲料会社の名があった。同国沿岸でゴカイ類が巣を作った後、フジツボやコケムシ、有孔虫など、さまざまな種類の計307個体が相乗りし、高知県沖まで漂流したとみられる。
有孔虫の殻に含まれる酸素と炭素の同位体比率から、漂流中の水温の変化が判明。コンピューターによるシミュレーションと併せて解析した結果、黒潮などに流され、70日以上かかってたどり着いたと推定した。
研究チームによると、海を漂う大量のプラスチックごみが生物の「小さな船」になることが具体的に示され、今回の研究手法は外来種の侵入経路の推定や防除に役立つという。論文は国際的な海洋汚染の専門誌「マリン・ポリューション・ブレティン」に掲載された。