岩佐が「ビッグチェンジ」で今季初優勝。オサリバンと2位争い「熱い感覚を思い出した」と松下【第10戦決勝会見】

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2026年10月11日 20:50  AUTOSPORT web

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(左から)ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)、松下信治(DELiGHTWORKS RACING) 2026スーパーフォーミュラ第10戦富士
 10月11日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦の決勝が行われ、岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)が2026年シーズン初優勝を飾った。2位にザック・オサリバン(TEAM IMPUL)、3位には松下信治(DELiGHTWORKS RACING)が続いた。この3名がセッション後の会見に出席し、大波乱となった決勝レースの振り返りと今後の展望を語った。


■岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)予選2番手/決勝1位

⎯⎯ 見事に今シーズンの1勝目ということになりました。戻ってくる場所に戻ってきたかなという感じですが、いかがでしょうか?

「今シーズンは開幕戦からしばらくスピードがあっても勝てなくて、走行しているうちにスピードパフォーマンスもちょっと落ちてしまって、とくに富士テストぐらいからは単純にスピードでなかなか苦労をしていたかなと思います」

「富士に関しては正直、僕がスーパーフォーミュラに参戦し出してからのなかで、いちばん結果が出ていないサーキットのひとつでもあるかなという感じだったのですが、今週末も最初はかなり苦戦した状態でスピードがなく、昨日の第9戦も4位だったのですが『もう全然トップは見えないな』みたいな状況でした」

「そこから今日にかけて、チームのみんなが大きなステップ、本当に”ビッグチェンジ”なのですが、そこをいい方向にチャレンジしてくれたおかげで、本当にしっかりといい方向に行きました」

「自分自身もそれに対して、ドライバーとしてできる最大限をやりきれた結果がこの優勝につながったかなと思うので、本当にうれしい1勝ですね」

⎯⎯スタートからレースをリードしましたが、セーフティカー(SC)リスタートなどレース展開を振り返っていかがですか。

「スタートに関してはいい形で決まって、元々不安も抱えていたのですが、昨日も今日も本番ではいいスタートが切れたので、そこは良かったかなと思います。トップに出てからは本当にペースが良くて、とくに第1スティントは後続を引き離していくようなペースだったので、金曜日のロングランテストをしたときのようなパフォーマンスに戻ったという感覚でした」

「自分としては、『まずここから、また自分のレースをするような感じかな』という流れだったのですが、ピットに入った直後にSCが出て、正直嫌でしたね」

「自分がタイヤ交換した直後でタイヤが冷えてしまっている状態で、それに対して真後ろについた松下(信治)選手は若干早く入っていたので。タイヤにちょっと熱が入っている状態というのもわかっていましたし、『リスタートがちょっと不安だな』と思っていたら案の定、最終コーナーからピタッとつかれてしまって」

「その反省を踏まえて、最後のSCリスタートは本当に自分の中でしっかりとアジャストしました。本当のことを言うと、自分たちは基本的にはSCリスタートとかタイヤの熱が入っていないときのグリップに関しては、つねに苦労しているというか、”いけてない部分”が正直あります」

「ただ、コース上にいる限り自分がなんとかするしかないというところで、もう自分ができることに集中してベストなリスタートを切ることにフォーカスした結果、しっかりとうまくやれたので良かったかなと思います」

⎯⎯最終戦鈴鹿に向けての意気込みをお願いします。

「もう本当にコンプリートですね。『ポール・トゥ・ウインで2戦(優勝)』ということしか考えていないです。正直チャンピオンシップに関しては、ポイント差を詰めて最終戦(チャンピオンの)権利があるとはいえ(ポイントリーダーと)大きな差があるので。ポイントを考えるような状況でもないので、とにかく勝つことだけを考えて挑みたいと思います」


■ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)予選3番手/決勝2位

⎯⎯前日に続いての表彰台獲得となりました。レースを振り返っていかがですか。

「正直なところ、かなり複雑なレースだったと感じている。僕たちには勝てるペースがあったと思うが、何もかもがうまくいかないような感じだった」

「最初のスタートは充分ではなかったし、その後ターン1の立ち上がりで大湯(都史樹9選手と接触があり、危うくクラッシュしそうになった。その分を取り戻さなければならなかったが、SCが2回入り、SC明けのOTS(オーバーテイクシステム)の使用がうまくいかず、最初のSCリスタートでポジションをふたつ落としてしまった」

「ファンにとっては非常に激しくエキサイティングで楽しいレースだったと思うが、ふたたびSCが出た時は『またか』と感じた。このマシンで勝てるペースがあっただけに、自分のペースが乱されてしまうのがいちいち悔しかった」

⎯⎯今日はファイナルラップでオーバーテイクを成功させました。そのシーンを振り返ってください。

「第9戦の最後に関しては、相手(太田格之進)のステアリングホイールに何らかの問題があったからこそ2番手争いができたのだと思う。一方、今日に関しては1〜2ラップ分のタイヤアドバンテージがあったように思う。このマシンにおいては、タイヤのグリップの”頂点を過ぎた直後の1〜2ラップの差”が非常に重要であり、そのタイヤオフセットを活かすことができた」

「また、僕はセクター3でのペースが非常に良かったため、Bコーナー(ダンロップコーナー)をうまくクリアして仕掛けようと考えていた」

「自分にはOTSが残っておらず、相手(松下)にはOTSが残っている状態だったため、最終コーナーの手前で前に出なければやられてしまうと分かっていた。富士での最後のレースということもあり、『絶対に負けたくない』という強い気持ちでギリギリまで攻め切った結果だった」

⎯⎯今日のレースがスーパーフォーミュラでのラストレースになるかもしれないという話がありました。日本での2年間はいかがでしたか。

「(最終戦)鈴鹿の週末は僕が次に行くチャンピオンシップ(フォーミュラEの2027プレシーズンテスト)と日程が重なってしまっているため、残念に思っているが、日本ですばらしい2年間を過ごすことができた」

「2025年に初めて日本へ来た時は右も左もわからず、ポツンとやってきたような感覚だったが、振り返ればこの2年間で非常に多くのことを学び、ドライバーとしても大きく成長することができた。想像以上に多くのことを習得できたと思っている」

「とくに今年はすばらしいチーム(TEAM IMPUL)で参戦でき、彼らとともに多くの喜びを分かち合うことができた。2年間でスーパーフォーミュラとスーパーGTの両方に参戦できた経験を生かして、引き続き頑張っていきたい」

⎯⎯日本のファンはいかがでしたか?

「日本のファンは本当にアメイジング! 世界中のどこを探しても他にはない存在だ。ヨーロッパから来て最初にルーキーテストに参加した時、ファンが歓声をあげて追いかけてくれたことに驚き、『どういうことだ』と困惑したほどだったよ」

「しかし今ではそれにも慣れ、本当にすばらしいファンだと感じている」

「日本のモータースポーツにとってファンは欠かせない存在だ。また、日本は国内のチャンピオンシップが非常に盛んでレベルが高く、1レースに5万〜6万人もの観客が集まるような環境はファンのおかげでもあるし、世界中でも(日本以外だと)アメリカぐらいだと思う。こうしたすばらしい体験ができたことを光栄に思っている」

「アリガト!」


■松下信治(DELiGHTWORKS RACING)予選9番手/決勝3位

⎯⎯新規チームで今季2度目の表彰台となりました。レースを振り返っていかがですか。

「まず前日(第9戦)もすごくレースペースが良くて、本当にトップ3のレースペースだったんですよね。で、7位でゴールしたのですが、ガス欠ということで仕方ない結果(19位へ降格)になってしまったのですが。それを踏まえて、今日はあまりクルマはガラチェン(ガラリと変更)はしなかったんですね」

「結構波乱が多いレースだったのですが、自分はそんなに巻き込まれることはなく、淡々と走っていたという感じです。セカンドスティントになってからのペースもすごく良くて、タイヤは『最初ちょっとセーブをして最後に仕掛けよう』という風に狙っていたのですが、SCが明けてもまたSCという感じで、なかなかポテンシャルを出せるレースではなかったですね」

「最後のリスタートで岩佐が前にいて仕掛けるチャンスがあったのですが、彼の方のタイヤがフレッシュだったので、最初に仕掛けないとたぶんチャンスがないかなと思っていたのですが、意外と近くにいることができました」

「ただ後ろから来たザックがもっと速かったような気がしたので、もうちょっとSCが短かったら自分たちの前日からのレースペースの良さが出せたのかなとは思うのですが……。最後2番手を走っていて、ラストラップの最終手前のコーナーでザックと接触があって、そこに関してはちょっと悔しいですが、これからちょっと分析して次に備えようかなと思います」

⎯⎯前回富士から2カ月のインターバルがありましたが、その間は何があったのでしょうか?

「まず富士が今年2回目というのは大きいです。なぜかというと、データを1回取ってそれに対して何が悪かったか、1台しかいないので本当に予想にはなってしまうのですが。仮説を立ててそれを今回で検証したという感じなのですが、それがうまくいきましたね」

「あとはメカニック側が、作業を最初はどうやってやったらいいかわからなくて時間が掛かってしまったりしていたのですが、そういうことがどんどん改善されて速くなっていったり、いろいろな細かい積み重ねが今回活きたのかなとは思いますね」

「あとは自分のドライビングも、やはり2年ぶりのスーパーフォーミュラで最初は”錆びて”いたというか、忘れているようなアクションがやっぱりあったなかで、どんどん”錆び取り”ができてきて、下の銀色の部分が出てきたかなと思いますけれど。あ、金色か(笑)」

⎯⎯次の最終ラウンド鈴鹿に向けて意気込みをお願いします。

「鈴鹿は本当にパッとやった鈴鹿のテストも良かったですから、ポテンシャルはあると思います。ただスーパーフォーミュラは本当にちょっとしたことで、今日の予選も前日も、予選の僅差が難しいところなので、鈴鹿も油断せずにしっかりと。やっぱりトップ3といま僕らがいる中団前半勢みたいなところはちょっと差があるので、まだ何か必要かなとは思いますけれど」

「でも、本当に今日のレースに関してはすごく楽しかったですね。自分のペースもあるし、トップ争いの近くで走ることができて、久しぶりに2位表彰台争いをして、熱い感覚を久しぶりに思い出しました。その部分もちょっと錆びているので、もうちょっと頑張って錆び取りしていきたいと思っています」

[オートスポーツweb 2026年10月11日]

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