きのう夜、韓国でおよそ40年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言した尹錫悦大統領は、先ほど会見を開き、宣言を解除すると表明しました。
記者
「国会議事堂の前には戒厳令に反対する大勢の市民が集まっています」
軍と市民がもみ合いになっています。尹大統領はきのう午後10時20分ごろ、「野党が司法や行政府、国政を麻痺させた」などとして「非常戒厳」を宣言しました。
韓国 尹錫悦大統領
「韓国国民の自由と幸福を略奪し、北朝鮮に従う破廉恥な反国家勢力を一挙に撲滅し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布します」
戒厳が宣言されるのは、1987年に韓国が民主化されて以降、初めてです。
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聯合ニュースは、野党による▼政府高官などに対する相次ぐ弾劾案や▼予算案をめぐる対応に大統領が反発したことが背景にあるとの見方を示しています。
宣言に伴い戒厳司令部は、国会や政党の活動、集会など、一切の政治活動を禁じるとの布告令を発表しました。
これに対し、国会では大統領の宣言の解除を求める決議案が出席した議員全員の賛成で可決されました。
全議員の過半数を超えていて、韓国の憲法では過半数が戒厳令の解除に賛成した場合、大統領は要求に応じなければならないと定められています。
市民
「頭にきて出てきました。あり得ないので」
「容認できない、多くの国民がそう思っているのではないか」
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宣言の解除を求める決議案が国会で可決されたことを受け、尹大統領は午前4時半頃に再び会見を開き、「非常戒厳」を解除すると表明しました。
ただ、野党は大統領に対し内乱罪を適用できないか検討する方針で、混乱はしばらく続きそうです。