森永卓郎さん死去 67歳 がん闘病中も力尽き28日自宅で…長男康平氏「まだ気持ちの整理が」

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2025年01月28日 22:39  日刊スポーツ

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経済アナリストの森永卓郎氏(24年11月4日撮影)

ステージ4の膵臓(すいぞう)がんで闘病中だった経済アナリスト森永卓郎(もりなが・たくろう)さんが28日午後1時33分、原発不明がんのため、自宅で亡くなった。67歳だった。この日、所属事務所が発表した。葬儀は近親者のみの家族葬で執り行うという。


発表では「このたび、森永卓郎(67歳)が、1月28日(火)13時33分、原発不明がんのため、自宅にて逝去いたしました」と報告。「2023年末にがんが判明。その後、闘病生活を続けるなかでも、経済アナリストとして精力的に発信を行ってまいりました。生前最後の生放送の出演は1月27日(月)放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)となりました。ファンの皆様、関係者の皆様には、生前のご厚誼、ご厚情を賜り、深く感謝するとともに、謹んでお報せいたします」とした。


長男で、経済アナリストの森永康平氏もコメントを発表。「父は2023年11月に癌の告知を受け、同時に余命宣告をされて以降、仕事をしながら闘病してきましたが、本日息を引き取りました。闘病中は本当に多くの方から応援のメッセージをいただき、本人だけでなく私たち家族も勇気づけられていました。ありがとうございます。余命宣告を受けてから、父は病状や体調、治療状況などについて、可能な限り皆様に共有しようとしていました。まだ気持ちの整理が出来ていませんし、暫くは長男として母を支えつつ、様々な手続きなどの対応もしなくてはいけないのですが、時間が出来た段階で、余命宣告をされてから今日に至るまでの闘病の様子や、父の最期の様子なども、皆様にご報告させていただければと思います。それまでは温かく見守っていただけますと幸いです」とした。


森永さんは東京都生まれ。23年12月27日にレギュラー出演する、ニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」でがんであることを発表。同日から抗がん剤治療に続けていた。


同年11月に人間ドックを受け、膵臓がんが見つかっていた。入院して抗がん剤治療を続けながら、電話やネットでラジオ番組に出演して仕事を続けた。


最後のメディア出演となった27日の文化放送「ゴールデンラジオ」は、自宅からリモートで出演。大竹まこと、阿佐ヶ谷姉妹とトークし「この1週間何も食っていないんですよ。だからパワーがなくなってボロボロになんですよ」「1週間前から急激に体調が悪くなった。根性で行くところまで行くぞ」と番組冒頭で話す一方で、持論を話すコーナーでは「社会を分断させてボコボコにすることがいいことか、報復の連鎖が続くと良くない」とフジテレビ問題に見る世相についても言及。「かつてフジテレビは、楽しくなければテレビじゃないというキャッチコピーを掲げていた。ギスギスしている今こそ楽しめる社会って大事なのではないか。石破茂首相の施政方針演説で、楽しい社会にしたいと言っていたが、あながち間違いじゃないと思う」とも話していた。


28日にはニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」を欠席。康平氏が「かなりキツそうだなっていうのが正直な感想」など森永さんの様子を伝えていた。


森永さんは1980年(昭55)に東大経済学部を卒業し、日本専売公社に入社。三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどをへて、独協大教授に。03年に出版した著書「年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で『豊かな』ライフ・スタイルを確立する!」は200万部以上のベストセラーになり、“モリタク”の愛称で、ラジオやテレビで経済を分かりや説明して人気者となった。


時の政権の経済政策を歯に衣(きぬ)着せず批判することでも知られ、がんとの闘いを「基本的には戦いますので。岸田政権とも戦い“増税クソめがね”でテレビを降ろされているので。今のところ全然大丈夫。(抗がん剤注入のために体に)ポートを埋め込んでいるので、サイボーグになった気持ち」などと笑っていたこともあった。


また森永さんは、食玩、アニメ美少女のフィギュア、有名人のサイン入り名刺、携帯電話ストラップ、テレビ局のノベルティの時計、グリコのおまけ、おもちゃのカンヅメ、ライター、指人形など収集マニアとして知られる。14年に自宅のある埼玉県所沢市内にコレクション約10万点を展示する「B宝館」をオープンしていた。


◆森永卓郎(もりなが・たくろう)1957年(昭32)7月12日、東京都出身。80年に東大経済学部を卒業して、日本専売公社入社。経済企画庁、三井情報総研、三和総研、三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどを経て、06年に独協大経済学部教授。安倍晋三首相(当時)のアベノミクス政策を“弱者切り捨て”と批判。収集マニアとしても知られた。長男は経済アナリストの森永康平氏。

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  • 癌なんて、世の中からなくなればいいのに。昨年、わしの大切な友人2人も癌で旅立った。森永さんの思想信条はわしとは違うが、愛嬌があって面白い人だった。今年の桜の花も見せてあげたかった。
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