水上恒司、映画単独初主演『火喰鳥を、喰う』実写映画化 ヒロインは山下美月

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2025年03月05日 06:43  ORICON NEWS

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映画単独初主演・水上恒司×ヒロイン・山下美月、映画『火喰鳥を、喰う』10月3日公開決定 (C) 2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会
 俳優の水上恒司が映画単独初主演を務める『火喰鳥を、喰う』が、10月3日に公開されることが発表された(配給: KADOKAWA、ギャガ)。ヒロインに、水上と初共演となる山下美月を起用し、原浩による「第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」受賞作を実写映画化。監督は、『超高速!参勤交代』シリーズ(2014年、16年)や、『空飛ぶタイヤ』(18年)、『シャイロックの子供たち』(23年)などを手がけた本木克英。水上と山下は初の本木組の参加となる。

【画像】実写映画化される『火喰鳥を、喰う』原作書影

 物語は、ある日、久喜雄司(水上)の元に、かつて戦死したはずの祖父の兄・貞市が書いたという謎の日記が届くところから始まる。“火喰鳥、喰いたい”という生への執着が記されたその日記を読んだ日を境に、雄司と妻の夕里子(山下)の周囲では、不可解な出来事が頻発するようになる。

 貞市の日記が引き起こす、存在しないはずの“過去”は少しずつ“現実”を侵食していき――。「死者の日記」から始まったのは、“事件”か、あるいは“怪異”か、先読みのできない衝撃のミステリーホラー。映画の脚本は『ラーゲリより愛を込めて』(22年)や『ディア・ファミリー』(24年)などの林民夫が担当した。

 映画『死刑にいたる病』(22年)、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23年)、『八犬伝』(24年)、『本心』(24年)など、数々の話題作に出演し、今年も主演作『九龍ジェネリックロマンス』の公開が控える水上。映画単独初主演作となる本作では、「今までの僕の経験の中には全くないものが現場にはあって、すごく鍛えられました。この本木組を経て、今後の役者人生の大きな助けになるというか、学びの多い現場でした」と語っている。

 本作の主人公・久喜雄司については、「雄司は、受けて受けて反応していくという、僕が野球をやっていたときのキャッチャーのような役割を担った役でした。雄司が『火喰鳥を、喰う』の世界で、どのように世界を見て、どのように登場人物たちと対峙していくかによって、その登場人物たちのキャラクターが変わり、また逆も然りで、他の登場人物たちが僕に対しての向き合い方を変えるだけで、雄司は全然違うキャラクターになっていく役だったので、そういったキャラクターを立たせていくのを意識していました」と述懐した。

 一方、ヒロインを演じる山下は、元乃木坂46のメンバーで、女性ファッション誌「CanCam」専属モデルを務め、俳優業でも連続テレビ小説『舞いあがれ!』(22年)や映画『六人の嘘つきな大学生』(24年)に出演、今年もドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』でヒロインを務め、主演作『山田くんとLv999の恋をする』の公開も控えるなど、活躍の場を広げている。

 初共演となったお互いの印象について、水上は「山下さんは、ポイントポイントをしっかりと押さえた芝居をされるなという印象がありましたね。今まで僕は年上の方々とお芝居することが多かったのですが、山下さんとは同年代ですが、自分とは全く違う経歴を持ちながらも、こうやってこの作品でご一緒できたということはすごく刺激的でした」とコメント。

 山下も「いろんな作品で以前から拝見させていただいていて、いつかご一緒したいと願っていたので、今回ご一緒できて嬉しく思いました。本読みの段階からすごく自分の中にビジョンがあって、最後までぶれずにいてくださったので、私も引っ張られていったように思います。ストイックな方で、集中力も高くて、たくさん勉強させていただきました」と水上との撮影を振り返っている。

 映画の撮影は、昨年(24年)に行われ、水上は「目の前に見えないものを雄司に感じさせ、僕の目に見えないけれども雄司が感じてるものを、僕の体に研ぎ澄ましていくように表現をすることが難しかったです。それがどのような形になって、皆さんのもとに届くのか楽しみです」。山下は「お話の内容的に、どんな作品に仕上がっているのか正直まだあまり想像ができていなくて、自分の中で全編通して見終わった後にどういう感情が生まれるのかすごく楽しみです」と、それぞれ映画の完成に期待を寄せた。

■監督:本木克英のコメント

 人間の執着心が異世界を創出し、時空を越えて現実を侵食していく。この怖ろしくも幻想的な物語を映像化することは、監督として心踊る挑戦でした。

 主演・水上恒司さんの地に足のついた表現が、科学的に答えの出ない事態に苦悩する化学者を確かに存在させ、神秘的な眼差しの山下美月さんが、ささやかな日常が失われる切なさを、繊細に伝えてくれました。それぞれの心に抱えた秘密がやがて明らかになりますが、抑制の効いた二人の演技があればこそ、この不可思議に交錯する世界が成立し、ラブストーリーとしての厚みも増したと思っています。

 戦場で死に瀕した兵士が何を見たのか?日記に何が宿っているのか?このミステリーに没入していただき、怪奇的な世界を堪能していただければ幸いです。 

■原作:原浩のコメント

 ヒクイドリの写真を眺めながら様々に考えを巡らせていたのが、もう随分と昔のように感じます。その時の私の空想は「火喰鳥を、喰う」という小説として、ひとつのかたちになりました。

 そして今年、大勢のスタッフ、キャストの皆様のお力で、映画作品となって全国の劇場で上映されることとなりました。スクリーンを通じて、きっと奇妙で恐ろしい体験ができることでしょう。公開日までどうか楽しみにお待ち下さい。

■プロデューサー:横山和宏のコメント

 主人公・雄司については、地方都市で家族と実直な生活を送る「普通の男」の役ながら、怪異に巻き込まれ、家族と自身の人生が続く世界線を守るために戦う話なので、地に足の着いた誠実さと「普通」である佇まいに説得力がありつつも、有事に家族を守る強さと脆さの振れ幅を併せ持つ、主人公としての存在感、魅力を発揮できる人である必要があり、まず、水上さんが頭に浮かびました。水上さんの繊細な声質も雄司そのものだと、彼以外に雄司はないと確信し、ご出演をお願いしました。彼のここ数年の目覚ましいご活躍は、日本映画界を明るく照らす光の一筋になりえると思っています。

 主人公の妻であり、<何か>を内に秘めているヒロイン・夕里子役は、儚(はかな)げでありながら凛とした強さを併せ持ち、憂いを帯びた眼差しが真実の奥まで見据えてしまうような、そんな美しさ湛える存在である必要があり、山下さんにぜひにとご出演をオファーしました。主人公・水上さんと並んだとき、二人が夫婦であることのバランスも間違いないと思いました。山下さんは乃木坂46在籍時代から演技に定評があり、卒業後も幅広くさまざまな演じ分けられていて、俳優として真摯(しんし)に歩んでいる姿に心打たれたのも理由の一つです。

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