自民党大会で演説する石破茂首相(党総裁)=9日、東京都港区 自民党は9日、第92回定期党大会を東京都内のホテルで開いた。石破茂首相(党総裁)が演説し、政権維持が懸かる夏の参院選と都議選に向け、「必ず勝ち抜くべく、わが身を滅して総力を尽くす」と表明。党内の「団結」を求めた。森山裕幹事長は結党70年を迎える今年11月をめどに「新たな国家ビジョン」を策定すると発表した。
首相は「勇気を持って真実を語り、政府を謙虚に機能させ、国会を公正に運営する政党でありたい」と強調。派閥裏金事件を念頭に「国民は政治を信じていないとひしひしと感じる」とした上で、「野党の時の気持ちを取り戻す」と語った。
「高額療養費制度」の患者負担上限引き上げの先送りを決めたことに関し、「弱い人や苦しい人の声を聴くのが信頼回復の唯一の手だてだ」と指摘。物価上昇を上回る賃上げや高付加価値を創出する経済への転換、日米同盟の強化、地方創生に取り組む方針を示した。
参院選の目標議席などには言及しなかった。
公明党の斉藤鉄夫代表、経団連の十倉雅和会長、労働組合の中央組織、連合の芳野友子会長らも来賓として出席した。斉藤氏は「参院選は実質的な政権選択選挙だ。日本と世界のかじ取りをできるのは自公政権しかない」と述べ、与党の結束を訴えた。

自民党大会であいさつする公明党の斉藤鉄夫代表=9日午前、東京都港区

記者団の取材に応じる自民党の森山裕幹事長=9日午後、東京都港区