石川一雄さん死去、８６歳＝狭山事件で再審請求中

　埼玉県狭山市で１９６３年、高校１年の女子生徒＝当時（１６）＝が殺害された「狭山事件」で強盗殺人罪などに問われ、無期懲役確定後に仮釈放された石川一雄さんが１１日夜、同市内の病院で死去したことが関係者への取材で分かった。８６歳だった。冤罪（えんざい）を訴え、東京高裁で再審請求の審理が行われていた。

　関係者によると、石川さんは昨年末に肺炎にかかり、手術のため入院していた。

　事件は６３年５月に発生。女子生徒が下校中に行方不明となり、３日後に遺体で見つかった。逮捕された石川さんは犯行を「自白」。一審浦和地裁（当時）で死刑、否認に転じた二審東京高裁で無期懲役の判決を受け、７７年に最高裁で確定した。９４年に仮釈放された。

　再審請求は２度退けられ、２００６年に第３次請求を申し立てた。