俳優座劇場、4月に初代開場から71年の歴史に幕 最終公演は「嵐 THE TEMPEST」

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2025年03月30日 22:37  日刊スポーツ

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改築新装となった俳優座劇場(1980年9月18日撮影)

帝国劇場が建て替えのために2月28日の公演を最後に休館してから1か月が経過しました。毎月のように観劇のため通っていただけに、5年後には新帝劇が開場することは分かっていても、寂しいという思いが消えることはありません。


4月には六本木にある俳優座劇場が閉館します。もともとは1954年に劇団俳優座の創立10周年事業として開場し、俳優座だけではなく、ほかの劇団の公演も行われました。1980年に改築されて、9階建てのビル内にある劇場として再スタートしましたが、78年暮れに演劇記者になった私が知る俳優座劇場は改築後の80年以降のものでした。80年9月の落成記念公演の栗原小巻主演「コーカサスの白墨の輪」を見て以来、同年12月の加藤剛主演「野鴨」など数多くの舞台を見てきました。六本木駅から2分ほどにある劇場はとても便利ですし、客席が300席ほどのため後方の席でも舞台が見易いということもあって、好きな劇場でした。


しかし、設備やビル自体の老朽化が進み、経営的にも厳しくなったため、初代の俳優座劇場の開場から71年の歴史に幕を閉じることが決まりました。劇団俳優座と俳優座劇場は別法人で、最後の公演は俳優座劇場プロデュースによる、さようなら俳優座劇場 最終公演「嵐 THE TEMPEST」。シェークスピアの最後の作品と言われています。演出する小笠原響さんの両親は俳優座の俳優で、10代のころから俳優座劇場で舞台を見てきました。そして、俳優座、文学座、文化座、青年座、演劇集団円、劇団昴などの劇団のベテランから若手までが出演します。10日から19日までの公演のチケットは売り切れで、17日昼の部が追加されました。こちらは4月30日をもって閉館し、再開場の予定はありません。また喪失感がじわじわと募りそうです。【林尚之】

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  • ここは別役実の『山猫屋理髪店』を観に行ったことがある。三木のり平の最後の舞台だった。まだミッドタウンができる前の防衛庁の前を歩いていたら、ずっと先から高田文夫が歩いてきてすれ違ったのを憶えている。
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