綾野剛、体罰で告発される教師役 実話をもとにした映画『でっちあげ』主演 三池崇史監督と16年ぶりタッグ

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2025年04月02日 06:00  ORICON NEWS

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映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』6月27日公開決定 (C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
 俳優の綾野剛が主演する映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』が、6月27日公開されることが発表された(配給:東映)。本作は、20年前、日本で初めて教師による児童への虐め(いじめ)が認定された体罰事件を取材した、福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫)が原作。監督は、三池崇史。綾野とは2009年の『クローズZEROII』以来、16年ぶりのタッグとなった。

【動画】男は「殺人教師」か、それとも…。映画『でっちあげ』特報映像

 「死に方教えてやろうか」と教え子を恫喝した史上最悪の「殺人教師」。2003年、小学校教諭・薮下誠一(綾野)は、保護者・氷室律子に児童・氷室拓翔への体罰で告発された。体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。

 報道をきっかけに、担当教輸は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ、停職処分になる。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展。しかし、法廷は担当教諭の完全否認から幕を開けるのであった。

 主人公の薮下誠一を演じる綾野は、『ヤクザと家族 The Family』(21年)、『カラオケ行こ!』(24年)など、国内外で高く評価される作品への出演が相次ぎ、24年にはNetflixシリーズ『地面師たち』で社会現象を巻き起こした。本作について、「エンタメとルポルタージュの共存、共演者と芝居の総当たり戦。毎シーン呼吸を忘れるほどの魂の揺らぎ、各部署のとてつもない胆力。三池崇史監督の祈りを道標に、ただただ魅了された現場でした」と、三池組での日々を振り返る。

 三池監督といえば、『悪の教典』(12年)、『初恋』(20年)、『怪物の木こり』(23年)など映画での活躍は言わずもがな、ドラマ『新・暴れん坊将軍』の監督を務め、精力的に活躍の場を拡げ続けている。実話をもとに人間の静かな恐ろしさを描いた本作は三池の作品群の中でも異色となっており、自身も「余計な演出をできるだけ排除し、冷静に作り上げたつもりです。ですから、この恐怖は本物です」と自信をのぞかせている。

 共演は『着信アリ』(04年)や『喰女 クイメ』(14年)に続く三池作品出演となる柴咲コウ。薮下を告発する保護者・氷室律子を演じる。そして、『怪物の木こり』で主演を務めた亀梨和也と、いずれも三池と再タッグとなる2人が本作でも刺激的な存在感を放つ。

 さらに脇を固めるのは、木村文乃、大倉孝二、迫田孝也、光石研、北村一輝、小林薫ら。三池監督が語る「冷静な恐怖」を体現すべく本気の演技合戦を繰り広げる。物語より奇妙で恐ろしい事件の記録を基に、心臓を締め付けるような緊張感で満たされた時間を作りだした。

 男は「殺人教師」か、それとも…。見る者の想像を刺激する本編映像初出しとなる特報とティザービジュアルも解禁となった。

 小学校教諭・薮下誠一(綾野)が児童・氷室拓翔(三浦綺羅)へ執拗かつ凄惨な虐めを行う描写から始まる。拓翔の母、氷室律子(柴咲)は虐めに気づくと涙ながらに学校へ訴えるが…。一転、人が変わったように体罰の疑惑を否定する薮下。謝罪の場となった保護者懇談会での追求の目と、これを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨)から追われる日々。過激な言葉で飾られた記事は、瞬く間に世の中を震撼させ、マスコミの標的となった薮下の日常が壊れていく様が、心臓を締め付けるかのような不協和音とともに描かれていく。耐え難い緊張感と底知れぬ絶望感はどこまで続くのか…?

 ティザービジュアルの綾野の表情は、薮下誠一の絶望、失意、緊張、混迷、あるいは解脱…?一言では言い表せないさまざまな感情を含んでいるようにも見えるインパクトのあるビジュアルとなっている。

■薮下誠一役:綾野剛のコメント

 エンタメとルポルタージュの共存、共演者と芝居の総当たり戦。毎シーン呼吸を忘れるほどの魂の揺らぎ、各部署のとてつもない胆力。三池崇史監督の祈りを道標に、ただただ魅了された現場でした。ぜひ劇場で目撃していただけたら幸いです。

■監督:三池崇史のコメント

 この映画は、現実に起こった事件に基づいている。
 さらに正確に言うと、ジャーナリスト・福田ますみ氏によるこん身のルポルタージュ『でっちあげ』を核にして作り上げたエンターテインメント。「殺人教師」にでっちあげられた男の、怒りと恐怖、そして、哀しみに包まれた人生の記録です。余計な演出をできるだけ排除し、冷静に作り上げたつもりです。ですから、この恐怖は本物です。何よりも恐ろしいのは、人ごとではなく明日、あなたの身に起こるかもしれない人災であるということ。被害者にも、いや加害者にも、あなたはそのどちらにもなり得るのです。

■原作者:福田ますみのコメント

 「よくこんなリアリティゼロの下手な小説を書くな。いくら小説だからって、もう少し現実にありそうなストーリーを考えろよ。えっ、これほんとうにあったこと?マジか!」。ある読者が、拙著を読んで寄せた感想である。
 そう、これは真実の物語だ。細部にまでこだわった迫力の映像が、学校現場で起きたありえない狂気を、そしてそこから増幅された社会の狂気をリアルに描いている。主人公が、たまりにたまった怒りを爆発させるシーン、綾野剛さんの鬼気迫る演技は鳥肌ものだ。観客にとっては、あっというまの129分だろう。

■企画・プロデュース:和佐野健一のコメント

 このルポルタージュに出会った瞬間、これは今すぐ映画にすべきだと確信しました。
 誰かを糾弾するためでも、「真実とは何か?」という難解なテーマを投げかけるためでもありません。
 三池監督、綾野さん、そして素晴らしい俳優陣の想いが、この作品をただひたすら純粋に、心の奥深くに突き刺さるエンターテインメントへと昇華させてくれました。


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  • セクハラで告発される役者役がいいと思うぞ!
    • イイネ!7
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