【小芝風花「べらぼう」インタビュー】瀬川が再び蔦重との別れを選んだ理由「涙が止まらないぐらい苦しかった」鳥山検校への想いも語る

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2025年04月06日 20:49  モデルプレス

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小芝風花「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第14話(C)NHK
【モデルプレス=2025/04/06】【ネタバレあり】俳優の横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(NHK総合テレビ、毎週日曜午後8時〜/BS・BSP4K、毎週日曜午後6時〜/BSP4K、毎週日曜午後0時15分〜)の第14回が4月6日に放送された。吉原の“伝説の花魁”だった瀬川<花の井/瀬以>が、嫁いだ鳥山検校(市原隼人)から離縁されるも、蔦重(横浜)の前から再び去るという切ない展開に。瀬川を演じる小芝風花(こしば・ふうか/27)が、モデルプレスらの合同インタビューに応じ、瀬川の選択への想いや、撮影エピソードを語ってくれた。

【写真】大河「べらぼう」小芝風花、横浜流星と熱いハグ

◆大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

本作は“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・“蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。森下佳子氏の脚本で、笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマを描く。

吉原の老舗女郎屋・松葉屋を代表する花魁であった瀬川は、吉原で共に育った蔦重に幼い頃から想いを寄せ、蔦重の力になりたい一心で伝説の花魁の名跡“瀬川”を継ぐ。一度は蔦重との足抜けを画策するも、盲目の大富豪・検校の身請けを受け、第10回で吉原を去った。しかし、不義理を疑われた検校から離縁をされることに。蔦重と束の間の幸せな時間を過ごしたが、一緒になる道を選ばずに身を引いた。

◆瀬川が再び蔦重との別れを選んだ理由

― 第14回で瀬川はついに蔦重と一緒になれる道があったのに、身を引いてしまいました。どうしてその選択をしたんだと思いますか?

小芝:検校の高利貸しという仕事は、色々な人から恨みを買っていて、その妻というだけでも「自分たちからむしり取ったお金で贅沢をしている」というレッテルが貼られていました。そうでなくても蔦重は市中の本屋から意地悪をされて仲間に入れないようにされてきたので、瀬川のようないわくつきがそばにいると、蔦重の夢の妨げになってしまうと思ったんです。蔦重にもらった本「青楼美人合姿鏡」を見て、「こうやって平和で笑い合っている蔦重の夢が詰まった姿は私がそばにいると叶わないことなんだ」と察するんですよね。最初はやっと蔦重と結ばれて一緒になるために荷造りしていたのが、だんだんと離れるための荷造りに変わっていくというのがすごく苦しくて、最後に残した文のシーンはカットがかかっても涙が止まらないぐらい苦しかったです。誰かに「離れろ」と言われたわけではなく、10年以上想い続けた人と一緒になる道があるのに自分から身を引くので、一緒になりたい本音を閉じ込めて、蔦重の純粋に笑っている姿が好きだからその夢を守るために身を引いた。瀬川自身、自分がどんなに辛くても人の幸せを願って、吉原を良くしたいと思って行動できる人だから、本当にそれが最善の選択だったかは分からないけど、瀬川にできる唯一の蔦重の夢を守る方法だったんだと思いました。

◆小芝風花「べらぼう」蔦重と結ばれたシーン振り返る

― 横浜さんの演技に驚いたり刺激を受けたりしたシーンがあったら教えてください。

小芝:やり取りの中で想いが膨らむことはありました。特に、花嫁道中の前に2人で夢を語るシーンは横浜さんの眼差しや表情で、より苦しくなったり、嬉しさだったり、横に並んではいけない切なさという想いが強まりました。

― 演じていて一番、瀬川にとって幸せだったシーンはどこですか?

小芝:離縁された後に2人で布団に横になりながら話していた瞬間は一番幸せだったと思います。元々蔦重の性格的に瀬川の気持ちに気づいていないし、恋愛についても考えていないことも分かっていたので、まず「俺がお前を幸せにしたい」と言ってくれたことが奇跡だったし、その想いを蹴ってまで瀬川を背負った責任として身請けされて、二度と会うこともないと思っていたし、検校に離縁をされるとも思っていなかった。色々な有り得ないと思っていたことが叶ってやっと結ばれた瞬間だったからあのシーンは本当に手放しで幸せだったと思います。

◆小芝風花、瀬川にとって「蔦重の存在だけが光」

― 改めて瀬川にとって蔦重はどういう存在だったと受け止めましたか?

小芝:「重三はわっちにとって光でありんした」というセリフがあって、本当にそうなんだと思います。身を削らなきゃいけないところに身を置かれて逃げることもできないし、ただただ自分が削られていく中できっと蔦重の存在だけが光で「この人に出会うために私はここにいるんだ」とまで思える存在だったと思います。蔦重が夢を素直に語ってくれる姿を見て「そんなことできるわけない」と思いながらも蔦重の夢が自分の夢にもなっていって、自分を外の世界に連れ出してくれる存在でした。

― 小芝さんから見て蔦重の魅力は?

小芝:まっすぐなところ。ちょっとでも自分が得をしようとかお金持ちになりたいわけではなく、本屋さんを作って豊かになりたいのも吉原の人に還元するためにという根本がブレないところが良いし、瀬川からしても一番近くで見ているからこそ、自分たちの要望を理解してすぐに叶えようとしてくれるのが他の人にはない魅力だなと思いました。

― これからますます大きくなっていく蔦重にメッセージを送るとしたら?

小芝:すごく辛い選択をしましたけど、それは全てあなたの夢が叶うことを願ってなので、蔦重もきっとすごく苦しいと思うけど、蔦重のまっすぐさと良い方に周りを巻き込んでいく強い力で江戸の街を盛り上げてほしいなと思います。瀬川はとにかく蔦重が夢に向かって楽しそうに走っている姿が好きだと思うので、(去った後も)きっと本屋さんで「蔦屋」の本を見かけているかもしれないし、「本を作っているんだな」ということを遠くから見守っている気がします。

◆小芝風花が考える瀬川の検校への想い「きっと添い遂げたかった」

― 瀬川にとって検校はどんな存在だったと思いますか?最初の印象と、その後の瀬川の気持ちについて、解釈をお聞きしたいです。

小芝:最初に「稀に見る良い男でありんすな」というセリフがあるんですけど本当にその通り。だから蔦重さえいなければ瀬川もきっと添い遂げたかったし遂げられる人だったと思うんですけど、どうしても心の中に蔦重がいて。検校がちょっとした声色や仕草で相手の全部を察しすぎる人だからこそ、瀬川も検校とちゃんと関係を築いていきたいけど、近寄るとこの心の中を覗かれてバレてしまうんじゃないかという不安があって上手く心の距離が縮められなかった。それによって検校が焦って「なんでこんなに頑張っているのにいつまで経っても夫婦じゃなくて客と花魁の関係なんだ」とモヤモヤが募っていったのだと思います。

― 検校に不義を疑われるシーンの瀬川の心境は?

小芝:本当に本心だと思います。検校に対しては自分を大事にしてくれて思ってくれて幸せにしようとしてくれる想いは多分蔦重よりも強いし、「私だってこんなに重くて苦しい想いは忘れてあなたと幸せになれたらどれだけ良いか」と心の底から思っていて。でもどうすることもできないから、信じられないんだったらその気持ちを伝える術はないからだったら「この命を差し出します」という、気持ちに応えたいという想いは命をかけてでも本気と訴えているシーンだと思って演じていました。検校も職業柄もそうですし、目が見えないということからきっと生い立ちは順風満帆ではなかったと思うんです。でも瀬川の誠実さや優しさや賢さに惹かれていって、最初は蔦重への嫉妬で「なんでこんなに頑張っているのに振り向いてくれないんだ」という気持ちが強かったけど、瀬川の本心を聞いて「僕は君の望むことを全部叶えるんだ」というまっすぐすぎる愛で、自分が一緒にいたいではなく、好きな人が好きな人と幸せであればと思ってくれたんだと思います。

― 今回、瀬川を生きて、小芝さん自身の人生への学びはありましたか?

小芝:吉原にいる人じゃなくても色々なことに縛られている時代で、会いたい人に会うのも時間がかかるし、純粋に人を思って色々なしがらみの中で生きているのを見ると、今はこんなに自由なんだから、周りにどう思われるかとかは関係なく自分が幸せと思える道を進もうという勇気をもらいました。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

◆「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第15回 「死を呼ぶ手袋」あらすじ

蔦重(横浜流星)は吉原で独立して、自分の店『耕書堂』を構えた。そんな時、市中で様子のおかしい源内(安田顕)に会う。須原屋(里見浩太朗)や杉田玄白(山中聡)によると、源内はエレキテルへの悪評に苛立っているという。一方、徳川家治(眞島秀和)の嫡男・家基(奥智哉)が 、 鷹狩りの最中に突然倒れてしまう… 。意次 (渡辺謙 は 、蝦夷の話を持ち掛けてきた源内 や東作(木村了)に、ある任務を託す。

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このニュースに関するつぶやき

  • そらストーリー上、瀬川と幸せに暮らしましたとさ、では今まで何だったんやってなりますけどね。そんなの関係なく瀬川と幸せになってほしかったなあ
    • イイネ!14
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