侵入被害、不正合鍵に警戒を!=複製に低いハードル、法規制なし―業界団体「番号見せないで」

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2025年04月19日 07:31  時事通信社

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 無断で作製した合鍵を使い、好意を寄せる女性宅などに不法侵入する事件が相次いでいる。合鍵はほとんどの場合、鍵に刻印された番号とメーカーが分かれば手軽に作れるが、悪用されるリスクもある。業界団体は「鍵番号を他人に見られないように気を付けて」と注意を呼び掛けている。

 昨年の大みそか夜。カフェで働く好みの女性従業員の「下着が知りたい」と、男が合鍵で東京都内の女性宅に侵入、物色する事件があった。警視庁戸塚署が今年2月、男を逮捕し、驚きの手口が明らかになった。

 男は合鍵作製に先立ち、カフェの事務室に入り込み、女性のかばんを物色していた。見つけた免許証で住所を把握し、鍵に刻印されていた数字とアルファベットによる12桁の鍵番号を暗記。この情報を基にインターネットで千数百円で合鍵を注文し、入手していた。「鍵の現物を持ち出すとばれると思った」と供述したという。

 都内では3月にも、不動産仲介業の20代男が物件引き渡し前に無断で鍵を複製し、賃貸契約を担当した20代女性宅に侵入する事件も起きている。

 合鍵は販売サイトにアクセスし、数〜十数桁の鍵番号とメーカー名を入力するなどすれば、誰でも注文できる。同居者が増えたり、引っ越ししたりする際に、スペアキーとして作製されることが多い。

 ただ、全国の鍵業者でつくる日本ロックセキュリティ協同組合(東京)によると、鍵番号と所有者情報はひも付いておらず、第三者が不正入手した鍵番号で合鍵を作ろうとしても見破る方法はない。「真の鍵の所有者かどうかの確認は事実上、不可能だ」と組合の担当者は語る。

 不正入手した鍵番号での複製を防ぐため、実際に手元に鍵があるかどうか写真や実物で確認する業者もある。免許証などで顧客の身元確認をすればさらなる不正防止効果も期待されるが、合鍵作製に関する法規制はなく、業者側に顧客の本人確認義務はないのが現状だ。

 メーカー側でも、鍵の納品時に渡す暗証番号がないと合鍵を作製できないシステムを導入するなどの対策を進めている。ただ、コスト増につながることに加え、認知度も低く、普及は進んでいない。組合担当者は「鍵番号を人目に触れさせないことが大切。むやみに写真を撮りSNSに投稿しないなどの注意も必要だ」と呼び掛けている。 

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  • 合鍵とか勝手に作られたらホンマに怖すぎだろ!
    • イイネ!24
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