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航空自衛隊のT4練習機が愛知県犬山市のため池、入鹿(いるか)池に墜落した事故で、防衛省は16日、安否不明の搭乗員とみられる体の一部を発見したと明らかにした。同県小牧市の小牧基地に搬送しており、DNA鑑定で身元の確認を進める。墜落現場では機体主要部のエンジンとみられる残骸も新たに見つかった。
空自によると、T4に搭乗していたのは、新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)の第5航空団第305飛行隊に所属する井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)。網谷2尉が前席、井岡1尉が後席に乗っていた。前後いずれの席でも操縦が可能なため、どちらが操縦していたかは不明。2人ともT4の操縦資格を有していた。
航跡などから、2人が乗ったT4は14日午後3時6分ごろ、愛知県営名古屋空港を離陸し、1分ほどで高度約1400メートルまで上昇。東から南に旋回しながら高度5000メートルまで上昇する予定が急降下したとみられ、午後3時8分ごろレーダーから機影が消失し、同空港の北東約13キロの入鹿池に墜落した。緊急事態の宣言や救難信号は確認されず、墜落現場ではタイヤや座席シートの一部、ヘルメットなどが回収された。
T4は1988年から主にパイロット養成の訓練機として運用されてきた。空自は現在約200機を保有し、順次フライトレコーダー(飛行記録装置)の搭載を進めているが、墜落機を含む約60機が未搭載。中谷元・防衛相は16日の閣議後会見で「ボイスレコーダーなど、あらゆる代替の検討も含めて搭載作業を加速するように指示し、予算もつけていきたい」と述べた。
また、空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」もT4を使用している。墜落事故を受けて空自はT4全機の飛行を見合わせており、各地で予定されている展示飛行にも影響する可能性がある。【松浦吉剛、原奈摘】
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