
よく走りよく泳ぎ、元気いっぱいなホッキョクグマの赤ちゃんの一般公開が「よこはま動物園ズーラシア」で始まりました。生後半年ほどのオスで、愛称は「ライ」。混雑対策でわずか「3分観覧」ですが、SNSでは多くの人が観覧時の親子の様子を投稿しています。今だけの貴重な姿を共有し合い、大行列な割に穏やかな観覧に。公開初日の様子、飼育担当の思いを取材しました。
ライは2024年11月18日生まれ。母はイッちゃん(11歳)、父はゴーゴ(20歳)。同園では公式ブログなどで成長の様子を紹介しており、4月からは屋外展示場での訓練を重ねてきました。
親子公開は、当面の間は午前中のみ。3カ所ある観覧場所を人数を区切って順番に進み、各場所1分ずつ、計3分観覧できます。 初日は平日ながら長蛇の列でしたが、並べば30〜50分ほどで順番が来ます。誘導や観覧ルールの説明が分かりやすく、スムーズに次のグループに交替します。
お披露目の日を迎えライの体重は53kgに。飼育担当の伊藤咲良さんによると、親と同じエサもよく食べるようになっているそう。「イッちゃんはそれまでガツガツ食べていたのが、ライがたくさん食べられるようにと、ゆっくり食べるようになりました。ライの成長に合わせて関わり方に変化が見られ、その母親ぶりには感心させられます」
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親子が初めて屋外展示場に出る際は、安全のためプールに浮力の強いおもちゃをたくさん入れたそう。ですが、「イッちゃんがどんどん陸に上げてしまって…」と伊藤さん。水深は3mあり、ライはまだ底までは潜れませんが、心配はしていないと言います。
朝できなかったことが昼前にはできるようになるほどの逞しさがあり、「水面でブイと戯れていたのが、ブイの下をくぐれるようになったり、少しずつ、確実に成長しています。展示場練習で動き回っても脚がもつれなくなりました」とのことです。
ところで、ライという愛称はホッキョクグマ界隈では100%予想通り。ゴーゴとイッちゃんを「実家」である大阪の天王寺動物園に寄贈したのが「551HORAI」のロゴでお馴染みの株式会社蓬莱で、最初の子が「ホウちゃん」(天王寺動物園、4歳メス)だからです。
蓬莱広報担当の八田さんは「無事に産まれ、公開の日を迎えられ本当にうれしく思います。何をしても可愛くて成長を見せてくれるライくんも、お母さんとしてしっかり支えているイッちゃんも、最高です!」とのこと。愛称が揃ったことについては、「夢には描いていましたが本当になるなんて…。関西からの方々、横浜で出会い親子に会いに行ってくださる方々、本当にありがとうございます」と喜びと感謝を語ってくれました。
木々が生い茂り、滝が流れるホッキョクグマ展示場。ここで子グマが駆け回るのは初めてのことです。大人気ゆえに時間や場所の限られた観覧となりますが、「親子が発する音を聞いたり、親子の姿を目でも見てほしい」と伊藤さんは話します。
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「見えにくい場所にいることもあるかもしれませんが、この同じ空間にホッキョクグマの親子と一緒にいることを感じていただければうれしいです」
【記事中の写真、動画は報道向け内覧会(2025.5.13)で撮影】
(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)
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