国民民主、勢いに陰り=「餌」発言、火消しに躍起

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2025年06月02日 07:32  時事通信社

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国民民主党香川県連の支部大会に出席し、講演する玉木雄一郎代表=5月31日午後、高松市
 夏の参院選で「台風の目」になり得ると目されていた国民民主党の勢いに陰りが見え始めた。参院選候補の人選や党のガバナンス(統治)に疑問の声が上がる中、政府備蓄米を巡る玉木雄一郎代表の「1年たったら動物の餌」発言が追い打ちをかける形となった。党幹部は世論が離反しかねないと火消しに躍起だ。

 「意見として受け止めたい」。玉木氏は5月31日、高松市の会合で、参院選比例代表に出馬する山尾志桜里元衆院議員の公認取り消しを支援者から求められると、神妙な面持ちでこう語った。

 玉木氏の足元には不安材料が積み上がる一方だ。潮目を変えたのは山尾氏の擁立。4月下旬に方針が報じられると、SNSなどで冷ややかな声が上がった。山尾氏は過去に不倫疑惑を報じられた経緯があり、役職停止処分につながった玉木氏の不倫問題と重なって「不誠実な党」と映った。

 党内統治に疑問を抱かせる一幕がこれに続いた。江藤拓前農林水産相の「コメは買ったことがない」との発言を受け、玉木氏は5月20日の記者会見で「辞めろとは言わない」と表明。しかし、榛葉賀津也幹事長は直後に国会で「即刻辞めるべきだ」と語り、幹部間の意思疎通不足を露呈した。

 多くの世論調査で政党支持率が下落する中、玉木氏から飛び出したのが「餌」発言だった。

 玉木氏は28日の衆院農水委員会で、政府が放出を急ぐ2021年産備蓄米を念頭に「1年たったら家畜の餌に出すようなもの」と指摘。与野党から「不適切」と批判が噴出し、SNSなどで「現在の制度を説明したまで」などと釈明に追われた。玉木氏は31日のBSテレ東の番組で「不快感を与えて反省している。おわびしたい」と陳謝した。

 「手取りを増やす」をキャッチフレーズに掲げ、SNSの積極活用で支持を伸ばしてきた国民民主。将来の「玉木首相」誕生の可能性もささやかれるが、風向きは変わりつつあるとの見方もある。立憲民主党ベテランは「ポピュリズムに走るからこうなる」と突き放し、国民民主関係者は「勢いがいつまで続くか分からない」と不安げに語った。 

国民民主党香川県連の支部大会で支持者からの質問に耳を傾ける玉木雄一郎代表=5月31日午後、高松市
国民民主党香川県連の支部大会で支持者からの質問に耳を傾ける玉木雄一郎代表=5月31日午後、高松市

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  • 「餌」じゃなくて「山尾」で強い支持者は去った������������ӻ�����
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