
江戸時代に名門・井伊家の居城として築かれ、現在は天守などが国宝に指定されている彦根城(滋賀県彦根市)。
【写真2枚】石段で車の入れない彦根城、暑い中でも運搬は人力しかない
今、SNS上ではそんな彦根城内の自動販売機運営にまつわる苦労が大きな注目を集めている。
「彦根城は平山城 内堀内には飲料の自販機が 中腹の鐘の丸売店さん、そして国宝天守前にありますが、いずれも人力で運んでいます 街中の売値より高くなっていますが、ご理解のほどお願いいたしますね 」とその模様を紹介したのは彦根城運営管理センターの公式Xアカウント(@hikone_castle)。
延々と続く石段を、自力で飲料ケースを運ぶ人たち。ただでさえ重い飲料ケースだが、酷暑の中でこれを運ぶとなるとかなりの重労働だ。彦根城運営管理センターの担当者にお話を聞いた。
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ーー城内の自動販売機の主商品の価格は?
担当者:自販機は中腹にある鐘の丸売店と山頂にあたる国宝天守前にあり、中腹の鐘の丸売店ではアクエリアスや水など各種500mlペットボトルが単価200円、山頂にあたる国宝天守前は水だけの販売で500mlペットボトル単価280円です。
ーー重い荷物を運搬する苦労についてお聞かせください。
担当者:投稿した画像のように背負子などで運びますが、特に中腹の鐘の丸売店はお盆時期の繁忙期は1日300本程、つまり1ケース24本入りが12箱売れます。この人力による運搬が暑い時期につきなんともキツイところです。
ーー投稿に大きな反響がありました。
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担当者:好意的なコメントが多く救われます。
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SNSユーザー達から
「自販機ごとにこのポストを印刷して貼っつけて欲しい…。 ここまでしてるのに罵られることがあるなんて、気の毒でならないです 」
「あの階段を荷物を背負い登るなんて、お仕事とは言え、本当に頭が下がります。途中で水分補給できるのもスタッフさん達のおかげです。心より御礼申し上げます!!」
「日本城郭協会には、ぜひこういう方々にも表彰して欲しい 自販機なしには夏の近世城郭めぐりは行けないですね〜! 」
など数々の感謝の声、驚きの声が寄せられた今回の投稿。飲料の運搬のみならず、車両が入れない城郭の維持・管理には大きな苦労が伴う。少しでも利用者の理解が進むよう期待したいものだ。
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なお彦根城では、9月20日から夜間特別公開を実施。現存天守がある本物のお城の、昼間とは異なる夜の世界を体感するまたとないチャンスだ。ご興味ある方はぜひ特設サイト「秋彩の彦根城夜間特別公開」をご覧いただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)