
先日、秋雨前線が停滞したときは、東京や神奈川でも猛烈な雨が降り、川の氾濫や浸水被害が相次ぎました。10月にかけても、局地的な大雨のリスクがあります。大雨の浸水リスクの箇所は、内水氾濫ハザードマップで把握することができます。危険な場所がどこなのか、確認をしておきましょう。
この秋は、ひとたび雨が降ると大雨になっている
今月9月9日から12日にかけて、九州や本州付近に秋雨前線が停滞しました。
長崎南部や熊本天草の芦北地方で線状降水帯が発生するなど、局地的に大雨になりました。
東京や神奈川でも1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が降り、川の氾濫や浸水被害が相次ぎました。この都市部の大雨では、雨水の排水が追いつかず、満水になった下水道管から溢れた水で、浸水が起きたとも指摘されています。
17日から18日は、北海道や東北の日本海側、北陸で大雨のおそれ
17日から18日にかけて、前線が日本列島を通過する見込みです。
広く雨が降り、北海道や東北の日本海側、北陸では大雨になるおそれがあります。
先日9日から12日の秋雨前線が停滞したときとは違い、雨雲の動きは比較的早く、発達した雨雲がかかり続けることはないでしょう。ただ、局地的に短い時間で雨の量が多くなりますので、注意、警戒が必要です。
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局地的な大雨リスクは10月にかけても高い
この先10月にかけても、前線が停滞したり、上空に寒気が流れ込んだりするなど、雨が降るきっかけがあると、局地的に大雨になるリスクがあります。
雨が降るきっかけは様々ですが、雨雲のもとは「暖かく湿った空気」です。
10月にかけて、これまで以上に、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすいでしょう。例年の秋雨の頃と比べても、その傾向は顕著になります。このため、ひとたび雨が降ると、災害が発生するような雨の降り方をすることもありそうです。
上の図は、10月の上空1500m付近の風の流れの予想です。日本の南では、矢印が南から北へ向いています。南の海上から日本付近に向かう風の流れ、すなわち暖かく湿った空気の流れ込みが、この時期としては強いことを示しています。
台風シーズンもまだ続く
台風シーズンも、まだ続きます。南の海上では、9月の終わりにかけて、台風など熱帯擾乱が発生する確率が高くなっています。
今後、台風が発生すると、台風は退く夏の太平洋高気圧の縁に沿って進み、日本列島に近づいてくることもあるかもしれません。
たとえ台風が直撃しなくても、台風がもたらす熱帯由来の暖かく湿った空気が流れ込むことで、大雨になることもあります。
10月にかけては、例年の秋以上に大雨に警戒が必要といえそうです。
浸水の危険個所の確認など、日頃から大雨への備えを
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日頃から、側溝の掃除をして、家の周りの水はけをよくしておくなど、大雨への備えをしておくとよいでしょう。
先日、都市部で発生したような大雨の浸水リスクの箇所は、内水氾濫ハザードマップで把握することができます。危険な場所がどこなのか、確認をしておきましょう。