大腸がん肝転移、診断合致は6割=画像で「消えた」、実は残る―国立センターなど
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2025年09月30日 18:02 時事通信社

国立がん研究センターなどは30日、薬物療法で画像上「消えた」と見える大腸がんの肝転移でも、実際にはがん細胞が残っているケースが少なくないとする国際共同研究の結果を発表した。画像診断と実際の結果が一致したのは62.5%にとどまり、約4割ではがんが残っていたり、再発したりしていた。
肝臓に転移した大腸がんは、薬物療法後に肝臓の腫瘍が小さくなり、CTやMRIの画像で消えたように見えることがある。しかし、顕微鏡レベルではがん細胞が残っている場合もあり、切除すべきかどうか臨床現場で判断が分かれてきた。
研究対象は、一時は切除が難しいと診断された大腸がん肝転移の患者233人。このうち、薬物療法後に肝臓の病変が消失したと判定され、外科手術を受けた症例を中心に解析した。
CTとMRIの両方で消失と判断された45人について、切除した部位は病理検査でがん細胞の有無を確認。切除しなかった部位は、2年間の画像検査で再発を追跡した。その結果、実際にがん細胞が消えていたのは約6割にとどまり、37.5%は再発などが確認された。
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