日本外国特派員協会で記者会見する公明党の斉藤鉄夫代表=10月20日、東京都千代田区 公明党内で次期衆院選に関し、小選挙区と比例代表の重複立候補を認めるべきだとの声が出ている。連立政権離脱に伴い自民党との選挙協力を解消し、苦戦が予想されるためだ。一方で、勝算が立たない小選挙区は撤退し、これまで以上に比例に力を入れる方針だ。
        
    
         「選挙協力がない前提でどう党勢を拡大していくか、戦略の見直しが必要になる」。西田実仁幹事長は10月28日の記者会見で、こう強調した。
        
    
         自公連立政権下では、自民が一部の小選挙区を譲りつつ「比例は公明」と訴え、その代わりに公明は全国で自民候補を支援してきた。昨年の衆院選で公明は首都圏や大阪、兵庫などの小選挙区に11人を擁立したが、4勝にとどまった。
        
    
         さらに、連立離脱が決定し自民との協力態勢は崩壊。候補を立てる小選挙区の絞り込みを進めているが、支持者の高齢化で組織力の低下も指摘されている。佐藤英道衆院議員(比例北海道ブロック)は予定していた北海道4区からの出馬を見送った。
        
    
         斎藤鉄夫代表は昨年末、重複立候補について「小選挙区候補は退路を断つのが伝統」と強調。だが、党関係者は3日、重複を認める可能性を「排除しない」と取材に語った。
        
        
        
    
         小選挙区の絞り込みでは、新たに自民党と連立を組んだ日本維新の会の本拠地、大阪が焦点となりそうだ。公明にとっても大阪は「常勝関西」と呼ばれる強固な地盤だったが、昨年は4人全員が落選。別の関係者は「大阪で擁立できなければ、他では自力で立てられない」と指摘した。
        
    
         公明執行部は今後の国政選挙で、自民との従来の関係を考慮し、地域レベルでの協力は容認する構え。党内には見返りとして自民からの比例票を期待する声もあるが、維新が主張した比例定数削減を受け入れた自民への反発も強まっている。