餌の前で様子を見る猫。岩手大の研究チームによると、同じ餌の匂いに慣れると食欲が低下し、新しい匂いで再び食べるようになる傾向が確認された(岩手大提供) 猫が餌を食べ残すのは、単なる満腹ではなく「匂いへの慣れ」も影響していた―。岩手大の研究チームは8日、同じ餌の匂いに慣れると猫の食欲が低下し、新しい匂いで再び食べるようになる傾向が確認されたと発表した。
宮崎雅雄教授らの研究チームは2023年1月〜26年2月、3〜15歳の健康な雑種猫12匹に実験を実施。16時間絶食させた後、10分間餌を与えて10分間休ませる手順を1セットとして6回繰り返し、与える餌や匂いの違いによる摂取量の変化を調べた。
同じ餌を繰り返し与えると、食べる量は回を追うごとに減少し、多くの猫が食べ残した。一方、異なる餌を順に与えると減少は抑えられ、全体の量も増加。餌そのものを代えなくても、別の餌の匂いを提示するだけで量が回復した。
これらの結果から、猫の食欲は満腹感だけでなく、同じ匂いに慣れることで低下し、新しい刺激で回復する特徴を持つ可能性が示された。猫は少量を何度も食べる習性があるが、その背景にこうした嗅覚の働きが関わる可能性もある。
宮崎教授は「病気で食が細くなった猫でも、匂いを加えるなどすることで食欲の回復や摂取量の増加につながればいい」と話している。
論文は国際科学誌に掲載された。