限定公開( 2 )

ファミリーレストランチェーン「ロイヤルホスト」の看板メニュー「パンケーキ」の冷凍食品が好調だ。近年、共働き世帯の増加やプレミアム嗜好を背景に、「高品質・高単価」な冷凍食品市場は拡大を続けている。こうした中、同店の冷凍食品ブランド「ロイヤルホスト デリ」に新たに投入されたのがこの商品だ。
【写真4枚】“パンケーキ好き男”粟田氏が実演する「おすすめの食べ方」
「ロイヤルホストのパンケーキには熱狂的なファンがいます。『お店の味』の再現度については、社内外からのプレッシャーを感じていました」と話すのは、開発を担当したロイヤル(東京都世田谷区)の粟田隆之氏だ。
開発工程における苦労や、過去にテレビ番組で“酷評”された過去について話を聞いた。
●誕生から48年 ロングセラー商品が初の冷凍食品に
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ロイヤルホストのパンケーキは1978年に朝食メニューとして登場して以来、現在まで続くロングセラー商品である。米国の朝食文化を参考にして生まれたメニューであり、スイーツと軽食の中間のような「あまじょっぱい」味が特徴だ。
このパンケーキを家でも食べたいという声や、ギフトとして贈りたいというニーズを受け、ロイヤルは2025年夏から冷凍食品化に着手。約1年間の開発期間を経て、店舗で提供する形式と同じ3枚入りで販売している。シロップが付属し、価格は620円。
「ロイヤルに入社すると、研修でパンケーキの作り方を先輩から叩き込まれます」と粟田氏は話す。それだけに味はもちろん、直径や厚みの再現にも力が入ったという。
●「喉ごし」を意識
店舗の味を再現する上で最もこだわった点について、粟田氏は「ふんわり感としっとり感、そして『喉ごし』です」と説明する。パンケーキは焼いてから冷凍すると縮んでしまい、身が詰まってしまう。これにより、食べるときの「喉ごし」が悪くなるというのだ。
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こうした課題を解決するため、材料の配合と機械での混ぜ時間を工夫した。水は一切使わず、水分は牛乳のみを使用。パンケーキにシロップが染みこむようにするため、焼く際に生地にほどよく気泡が生まれる加水量になるまで試作を繰り返した。
また、店舗では手作業で行っている工程を機械で再現するため、原料を機械に投入するタイミングも細かく調整したという。
●テレビ番組での「酷評」とファンの「義憤」
ロイヤルホストのパンケーキは、数年前にテレビ番組の企画で料理人に酷評され、「不合格」となったことがある。この出来事が物議をかもし、SNS上では番組が“炎上”する事態に。
粟田氏は当時を振り返り、番組の放送にはショックを受けたものの、その後のファンからの応援に励まされたという。
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「『なぜ不合格なの?』という声が非常に多く寄せられまして。応援していただいている事実を知ってうれしかったです。テレビ番組の放送後、店舗での注文が激増し、一時はシロップが足りなくなるほどでした」と語る。会社が設置しているお客様相談室にも「(番組での酷評を真に受けず)味を変えないで」という声が殺到し、パンケーキが長年支持されていた事実を改めて実感したという。
一方でこうしたファンの存在は、今回の冷凍化にあたって「味が変わってはいけない」というプレッシャーにもなった。冷凍食品のパンケーキが期待外れだった場合、店舗に足を運ぶ人も減ってしまうかもしれないからだ。
品質に万全を期すため、社内における最終ジャッジは異例の工程を経た。粟田氏が所属するロイヤル、外食事業を担うロイヤルフードサービス、そしてそれらを展開するロイヤルホールディングスの社長や専務といった役員が一堂に会して試食を実施したのだ。
結果として、役員陣から「これ、店舗に出してもいいんじゃないの?」との声が上がるほどの仕上がりとなったという。
こうして6月17日に発売に至ったパンケーキは、現在まで計画を上回る水準で売れているという。単品販売のほかギフトセットも好調で、現在はECのみの取り扱いだが、今後は店頭での販売も検討しているという。
消費者の声が激励にも、プレッシャーにもなったロイヤルホストのパンケーキ。冷凍食品化でさらにファンを増やせるか。
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