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曜日や繁忙期にかかわらず、宿泊料金はいつでも同じ。そんな一風変わった料金体系を掲げるホテルチェーン「HOTEL AZ」が、いよいよ東へ勢力を広げます。
HOTEL AZを展開する株式会社アメイズは、2028年に関西地方、2030年には北関東地方への進出を計画。公式Xでも9月2日、「年中5,800円(税別)の『HOTEL AZ』、2028年に関西、2030年に関東への進出を発表!」と告知しました。
ホテル料金のダイナミックプライシングが珍しくなくなった現在。その流れとは逆に、同社は今後も「365日同一価格」を経営戦略の柱として守っていく方針です。
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HOTEL AZは、九州を中心に中国、四国、東海・北陸、甲信越地方などへ店舗を展開するホテルチェーン。
特徴的なのが、年間を通して宿泊料金を変えない「365日同一価格」という料金体系です。現在のシングルルームは1泊5800円(税別、税込6380円)朝食付きで、時期や曜日によって料金が大きく変動しないことを強みとしています。
同社は2026年2月、公式Xで「100店舗が見えてまいりました」と投稿。その中で「テレビCMもしていません。立地も一等地ではありません」としながら、「いつでも安心して泊まれる」ことに集中してきたと説明していました。
そして8月に公表された経営計画では、さらなる出店地域の拡大を提示。2028年に関西地方、2030年には北関東地方への進出を予定しています。
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興味深いのは、店舗数の拡大だけではありません。
同社が今後も「365日同一価格」を、かなり強い意志をもって継続しようとしている点です。
ホテル業界では、宿泊需要に応じて料金を変動させる「ダイナミックプライシング」が広く用いられています。連休や大型イベントなどで需要が集中すれば宿泊料金を大幅に引き上げ、逆に閑散期には料金を引き下げて販売する仕組みです。
一方、アメイズは経営計画の中で、自社の同一料金戦略を「価格の不透明性へのアンチテーゼ」と位置付けています。
いつ宿泊しても料金が分かっているという安心感そのものをブランド化。さらに、郊外立地を逆手に取り、一部店舗を除いて宿泊者向けの無料駐車場を備えるほか、大型車にも対応することで、長距離ドライバーや工事関係者、車移動の多いビジネス客などの需要を取り込む考えです。なお、大型車の駐車は一部店舗を除いての対応となり、有料かつ事前予約が必要です。
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もちろん、料金を固定することには大きなリスクもあります。
同社自身もSWOT分析の「弱み」として、利益率の変動リスクを挙げ「定額制のため価格に転嫁する事ができない」としています。
さらに、人件費や光熱費、リネン費、食材費などの上昇、地価や建築費の高騰、人材確保、建物・設備の老朽化なども課題として認識しています。
つまり、コストが上がったからといって、繁忙期だけ宿泊料金を引き上げて補うことが難しい仕組みです。
それでも同社が打ち出しているのは、「インフレ下の『デフレの勝ち組』戦略」。
ロードサイドを中心とした出店で土地取得費を抑えるほか、自動チェックイン機やアプリなどを活用した省人化、業務のIT化、飲食事業との相乗効果などによって低コスト運営を徹底。そのうえで「安心の同一価格」を「守り抜く」としています。
単に安価なホテルを増やすというだけでなく、料金を変動させないために、運営そのものを料金体系に合わせて組み立てている格好です。
ただし、「365日同一価格」とは、現在の5800円という価格を永久に据え置くという意味ではありません。物価や運営コストの変化に伴い、将来的に基本料金そのものが改定される可能性はあります。
それでもHOTEL AZにとって大きな特徴となっているのは、「いつ予約するか」「いつ泊まるか」によって料金を上下させないことです。
ホテル代が高騰する時期になるたび、SNSでは「普段の何倍にもなっている」といった声も聞かれる昨今。
そんな中で、「いつ行ってもこの価格」という、ある意味では非常に分かりやすい戦略です。そのモデルを維持したまま関西、そして北関東へ進出することになれば、これまで同チェーンになじみの薄かった地域でも大きな注目を集めることになりそうです。
<参考・引用>
HOTEL AZ公式X(@azhotel_chain)
株式会社アメイズ「中期経営計画に関するお知らせ」(2026年8月12日)
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