介護ベッドに体が挟まり、圧迫される様子(NITE提供) 高齢者が介護ベッドで首を挟まれたり、電動車いすで転倒したりして重傷を負う事故が後を絶たない。死亡事故も発生しており、製品評価技術基盤機構(NITE)は、21日の敬老の日を前に、家族や介護従事者らと一緒に使用方法を再確認するよう呼び掛けている。
NITEによると、2016〜25年に起きた高齢者の介護ベッドによる事故は43件。手すりなどの隙間に体が挟まる例が23件で最多だった。死亡事故も23件確認されており、22年6月には静岡県の80代女性が首をベッドの手すりとマットレスの間に挟まれ死亡した。高齢者は力が弱いため隙間から抜け出せず、そのまま首や胸部が圧迫されて窒息死する例が多い。
介護ベッドの事故防止には、製造年の確認が重要という。09年に安全性に関する規格が見直され、ベッドと手すりの間隔が狭く頭や首が挟まりにくいよう改良された。同年以前の製品には注意が必要だといい、NITEは保護カバーなどで隙間を埋めておくなどの対策を提案している。
同じ10年間で起きた高齢者の電動車いすによる事故は59件で、側溝や川などに転落した例が最多の26件だった。死亡事故は34件で、24年4月には愛媛県の80代男性が水路に転落して亡くなった。
事故原因の約75%が誤使用や不注意などで、NITEは踏切や側溝といった危険な場所を確認しておくよう呼び掛ける。走行練習を重ね、正しい使い方を身に付けることも重要としている。
高齢者の事故では他にも、認知機能の低下で洗剤を誤飲したり、視力低下に伴い料理中にガスの火を視認できず、やけどを負ったりする例もある。長年使うつえの劣化にも注意が必要という。
NITEの担当者は「高齢者が安心して過ごせるよう、身近な製品の安全対策を確認してほしい」と話している。

タイヤが脱輪し、側溝に落ちる電動車いす(NITE提供)