Bunkamura Production 2027/DISCOVER WORLD THEATRE vol.18『テンペスト』キービジュアル Bunkamura Production 2027/DISCOVER WORLD THEATRE vol.18『テンペスト』が、2027年2月24日から上演されることが決定した。東京・THEATER MILANO-Za(2月24日〜3月15日)、富山県民会館ホール(3月20日〜22日)、大阪・森ノ宮ピロティホール(3月27日〜4月4日)で上演される。主人公・プロスペローは野村萬斎、エアリエルは稲垣吾郎が演じる。
【写真】シェイクスピア最後期の傑作を創り上げる個性豊かな俳優陣
Bunkamuraでは、DISCOVER WORLD THEATREシリーズとして、日本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画に取り組んでいる。今作が第18弾となる。
同作は、シェイクスピア単独執筆最後にして最高傑作と謳われるロマンス劇。国を追われ魔法が息づく孤島にたどり着いた男と、男が巻き起こした嵐に導かれた人々が繰り広げる“和解と新生の物語”を描く。
演出は、ワシントンD.C.の名門劇場シェイクスピア・シアター・カンパニーで芸術監督を務める英国人演出家サイモン・ゴドウィン氏。シェイクスピアが最晩年に描いた壮大な幻想世界に、新たな命を吹き込む。
野村と稲垣は、今作で初共演を果たす。野村演じるプロスペローは、弟の策略によって国を追われ、娘と孤島で暮らす元ミラノ大公。復讐のために魔法で嵐を巻き起こし、かつて自分を陥れた者たちを島へと導いたことから、長い時を経てそれぞれの運命が動き始める。稲垣演じるエアリエルは、プロスペローに仕えながら自由を希求する空気の精。
復讐心を胸に、魔法の力で島の出来事を操るプロスペローと、その命を受けて自在に空間を駆け巡りながら、自由を求めるエアリエル。対照的でありながら深く結びついた2人を、異なる表現世界でキャリアを築いてきた野村と稲垣がどう立ち上げるのか、注目が集まる。
そして、幼少期より父とともに孤島で育ち、初めて知る恋を通して新たな世界へ踏み出すプロスペローの純真な娘・ミランダは、山下美月が演じる。プロスペローの追放に加担し、孤島で過去の過ちと向き合うナポリ王アロンゾーには、西岡徳馬がキャスティングされた。
さらに、島でプロスペローに虐げられ、恨みを抱くキャリバンは玉置玲央、アロンゾーの息子である孤島でミランダと出会い恋に落ちるファーディナンドは松島庄汰が演じる。プロスペローの弟で、兄から大公の座を奪った現ミラノ大公アントーニオを務めるのは、青柳翔。アロンゾーに仕える酒好きの執事ステファノーは玉置孝匡、兄・アロンゾーの王位を狙い、暗殺を企てる野心的な弟・セバスチャンは福田転球が演じる。プロスペローの追放時に手を差し伸べた、賢明な老顧問官ゴンザーローは間宮啓行、アロンゾーの道化師トリンキュローは今井隆文が務める。
世代もバックグラウンドも異なる個性豊かな俳優陣が一堂に会し、シェイクスピア最後期の傑作を創り上げる。
プロスペローは、自らを陥れたアントーニオを乗せた船を難破させて島へと導く。離れ離れになった人々は、それぞれの思惑を胸に不思議な島をさまよう。一方、ミランダは一行とはぐれたファーディナンドと出会い、2人は惹かれ合っていく。過去への復讐を遂げる絶好の機会を手にしたプロスペロー。魔法と精霊が息づく島で、裏切りと欲望、若者たちの愛が交錯するなか、最後に選ぶ道とは――。
■コメント
▼サイモン・ゴドウィン氏
東京そしてBunkamuraに戻り、この新たな『テンペスト』を創り上げられることを、とてもうれしく思います。
ひとりの男とその娘が遠く離れた島へと追放される。男は偉大な魔術師となり、復讐を企てる。
こうして始まるのが、魔術、権力、陰謀、そして贖いをめぐるシェイクスピアの物語『テンペスト』です。
1611年に書かれたこの作品は、シェイクスピア最後の戯曲とも言われています。嵐を呼び起こす場面から始まる『テンペスト』は、人間の心理と感情の変化を映し出すメタファーとして展開していきます。若きミランダとファーディナンドの間に芽生える愛。精霊エアリエルが見せる繊細な技。そして怪物キャリバンの破壊的な衝動。やがて私たちは、新たに「赦す」ということを受け入れていくプロスペローの変貌を目撃します。
今回の演出では、17世紀の伝統的な衣裳と鮮烈かつ革新的なデザインが融合します。ドラマと驚き、そして心を奪われるような優しさに満ちた世界へと、観客の皆さんを誘います。
シェイクスピア作品を演出し続けて30年になりますが、この戯曲を演出するのは今回が初めてです。日本を代表する素晴らしい俳優の皆さんとご一緒できることを、大変光栄に思っています。また、音楽、照明、振付を手がける素晴らしい日本のアーティストの皆さんとのコラボレーションも楽しみにしています。
皆で力を合わせて、美しくて心に残る、シェイクスピア最後の傑作の本質を捉えた、これまでにない舞台を創り上げたいと思います。どうぞご期待ください。
▼野村萬斎
1993年に、ロベール・ルパージュ演出の『テンペスト』にエアリエル役で出演しました。プロスペローはシェイクスピア俳優とも称された平幹二朗さん。長い年月を経てその役を今回やらせていただくことになり、感慨一入です。
以来数々のシェイクスピア作品を自身でも演出して海外でも演じてきましたが、今回のサイモン・ゴドウィンさんの演出はどうなるのか?非常に楽しみにしています。ワールドワイドな世界観を期待しています。私自身もどんなプロスペローになるのか、これからの稽古の中でじっくり探っていきたいと思います。
魔術の世界は日本の陰陽道にも通じ、陰陽師を演じたことがあるエアリエル役の稲垣吾郎さんとの陰陽師コンビも楽しみの一つです。
どんな『テンペスト』になるのか、演出家、キャスト、スタッフの皆さんとともに、新たな作品を創り、皆さまにお届けできればと思っています。
▼稲垣吾郎
シェイクスピアの『テンペスト』に出演できることを、とてもうれしく思っています。エアリエルという不思議な存在をどのように演じられるのか、今から楽しみです。サイモン・ゴドウィンさんの演出のもと、素晴らしいキャスト、スタッフの方々と共に、皆さまをテンペストの幻想的な世界へお連れできればと思います。ぜひ劇場でお楽しみください。
▼山下美月
シェイクスピア作品に出演することは、憧れていた夢の一つでしたので、うれしさと同時に大きな緊張感も感じております。ミランダの純粋さと愛らしさ、信じることを疑わない強さからは、人々が忘れがちな無垢な心が思い出されますし、閉ざされた環境でも人生を選択していく決心からは、勇気を貰えます。お芝居の中のコミュニケーションを通して生まれる新しい発見を楽しみに、学ぶ姿勢を常に忘れず、自身もミランダと共に成長していきたいです。この作品が、今の時代にどんなメッセージをもたらすのか、皆さんと共有できるよう、一つ一つ丁寧に積み上げてまいります。
▼玉置玲央
『テンペスト』に取り組むのは人生で2度目になります。登場人物ひとりひとりが非常に個性的で、俳優の遊び心や挑戦を軽々と受け容れる戯曲の幻想性がこの作品の最大の魅力なのではないでしょうか。オファーをいただく少し前に、とある先輩から「玲央にはテンペストのキャリバンが合っていると思う」と言われ、そりゃあやりたいけれど願ったところでかなうものでもないし…と思っていた矢先に今回のお話をいただきました。勝手に運命めいたものを感じています。この運命が過ぎた欲望にならないよう、丁寧に紡いで皆さまにお届けできればと思います。
▼松島庄汰
ファーディナンドを演じます、松島庄汰です。オリジナルのシェイクスピアには初挑戦で、サイモン・ゴドウィンさんの演出や、強力なカンパニーの皆さんと挑めることに、純粋な高揚感を抱いています。台本を開くたび、時を越えて残ってきた美しい言葉の数々に背筋が伸びます。あのセリフたちがどんな熱量で立ち上がっていくのか、稽古が楽しみでなりません。世界中で愛され、多くの役者が挑んできた作品だからこそ、自分なりのアプローチを恐れず、ファーディナンドの比類なき純粋さと真っ直ぐさを、誠実に舞台上で生きたいと思います。劇場でお待ちしています!
▼福田転球
出演のお話をいただき思わず呟きました。「わて、ただの大阪のオッサンですよ、ほんとに僕がセバスチャン(王族)やってもいいすか?」って。『テンペスト』初めて、演出サイモン・ゴドウィンさんも初めて。どんな演出なのだろ…不安もあるけど楽しみだ。『マクベス』でも共演した玉置孝匡君が一緒なことは少しの安心材料。そして12年振りの共演、西岡徳馬さんが兄アロンゾーである事も安心材料の一つ。きっと面白いシェイクスピアになると信じてますし、なります!
▼玉置孝匡
シェイクスピア作品に出演させていただくことは、何歳になってもうれしいです!今回演じるステファノーは、“酒好きの勘違い”という印象。演出のサイモンさんとは2019年の『ハムレット』でご一緒しました。その場でのインスピレーションを大事にし、いろんな要素を盛り込んで創られる方なので、良いアイデアが浮かべばどんどん提案したいです。初めて共演する方ばかりなので、たくさん刺激を頂戴しながら、足を引っ張らないよう楽しんで創作できればと思っています!観客の皆さまの想像を絶する嵐を巻き起こせるように稽古に励みます。劇場でお会いしましょうー!
▼青柳翔
シェイクスピア作品は稽古の度に新しい発見があるので、どんな作品になるのか楽しみですが、シェイクスピア作品の出演は2回目なのでなるようになるかと思いますし、純粋に真摯に向き合いたいです。アントーニオは、非常に人間らしい役だなという印象です。彼の抱えている欲や弱さの奥にあるものを丁寧に探しつつ、まだ分からない部分も含めての変化が楽しみです。以前『ハムレット』でご一緒したサイモンさんは、俳優との対話を大切に場面ごとに深く掘る印象です。またご一緒できることが純粋にうれしく、今作で生まれる化学反応に期待しています。共演者のお芝居にもくらいつき、普段あまり舞台をご覧にならない方も楽しめる作品にしたいです。
▼西岡徳馬
シェイクスピア作品は、大学生で『ヴェニスの商人』を演ったのを皮切りに『ハムレット』でホレイショオとクローディアス、『ロミオとジュリエット』は、文学座ではロミオ、東宝ではヴェンボーリオ、『リア王』でケント伯、『ハムレット』ではクローディアスと同時に亡霊役を演らせてもらった。ほかにも、『ヴェニスの商人』のアントーニオや、井上ひさしさんの『天保十二年のシェイクスピア』も。数々の作品で色々な役に携わり、わたしの演劇の原点はシェイクスピアと言っても過言ではないのです。原点回帰とも言える今回は、演出家をはじめ、共演者たちも初対面の人ばかり。さてさてどんな作品になるか、大好きなシェイクスピア、今からワクワクして稽古を待ってます!