俳優の河合優実が主演する『ナミビアの砂漠』がフランス現地時間17日、「第77回カンヌ国際映画祭」で公式上映された。上映前には、河合が流ちょうな英語で「今日を楽しみにしていました。楽しんでください」とあいさつ。これがワールドプレミアとなり、目の肥えたカンヌの観客から歓迎を受けた。
【動画】カンヌで拍手に包まれた河合優実 同映画は、将来有望として選出された作品を紹介する監督週間部門に選出された。過去にはソフィア・コッポラやスパイク・リー、大島渚、北野武など、数々の有名監督たちの世界へ羽ばたくきっかけとなってきた。
監督の山中瑶子は、19歳の時に撮影、初監督した『あみこ』(2017年)が「PFFアワード」で観客賞を受賞。その後、「第68回ベルリン国際映画祭」フォーラム部門に史上最年少で招待された実績を持つ。本作は、本格的な長編第1作となる。
監督週間部門のメイン会場である「シアタークロワゼット」で、午後5時30分からのワールドプレミア上映は800席が満席に。舞台あいさつには、山中監督、河合、共演の金子大地、寛一郎が登壇した。
本編のエンドロールが始まると、会場に大きな拍手が鳴り響いた。山中監督と河合、金子、寛一郎が立ち上がり、客席に手を振りお辞儀をすると、会場はさらにヒートアップ。2階席からも声援が飛び、皆振り向いて手を振るなど、惜しみない拍手と喝采に笑顔で応えていた。
監督は「言葉にならない…」と感無量の様子、河合も「心臓がバクバクした。この歓声を聞くためにカンヌに来たんだな、と思った」と興奮冷めやらぬ様子でコメントした。
河合演じるカナと徐々に関係を深めていくハヤシを演じた金子は「貴重な経験ができた。ヤバかった!」、カナの恋人・ホンダを演じた寛一郎も「笑い声が聞こえてきて、また上映後の反応もすごくよかったので一安心しました」と、それぞれ初カンヌでのプレミアに参加した喜びを語っていた。
現地フランスのリベラシオン(Liberation)紙は「間違いなく素晴らしい作品」と絶賛。また、「俳優たちの的確な演技に支えられた魅力的な作品」(Letterboxd※フランスのレビューサイト)、「生々しくダイナミック。若き映画人にふさわしい作品」(FilmVerdict)など、高評価なレビューがあがっている。
■河合優実のコメント
上映中はすごい皆さんの反応を観察するなどリラックスしていたのですが、終わった後から心臓がバクバクしはじめて、興奮していたんだと思います。すごくうれしかったです。いっぱい拍手をいただき、感想を直に伝えてくれたり、本当に来れてよかったなと思いました。やっぱりこのお客さんの感想や歓声を聞くためにカンヌに来たんだなと思いました。
■金子大地のコメント
疲れました(笑)。うれしかったです。反応もよくて、貴重な経験をさせていただきました。ずっとおどおどしてしまって、ヤバかったです(笑)。
■寛一郎のコメント
素晴らしかったです。すごくいい上映だったと思います。一緒に見ていたのですが、ところどころぼくらの価値観とは違うところで笑っていたりとか、ここは絶対笑うよね、と思っていたところでも皆さん笑ってくださっていたので、一安心しました。終わった後、すごくよかった、と皆さんに好評で、一安心です。
動画を別画面で再生する