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MAN WITH A MISSIONの海外進出など、日本のメジャーバンドが海外展開を仕掛けていくのが当たり前となった昨今。youtubeやsound cloudの普及により、流通を介さずに海外のリスナーが日本のバンドを見つけるきっかけも多くなり、両者のコミュニケーションは活発になりつつある。それもあってか、自国のリスナーよりも先に海外のリスナーの間で人気者となる「逆輸入バンド」が、近年増えている傾向にある。先駆けとなっている少年ナイフをはじめ、現在まさに“逆輸入“されようとしているバンドも合わせて紹介したい。
●少年ナイフ
少年ナイフは1981年に結成されたガールズ・バンドで、パンクやニューウェイヴのサウンドを踏襲しつつ、独自のポップ性をもった音楽世界を確立させた。海外進出バンドの先駆け的存在で、アメリカ、イギリス、ヨーロッパで人気を博し、1992年に日本、アメリカ、イギリスでメジャー・デビューも果たした。80年代後半からは同世代であるニルヴァーナやソニック・ユース、レッド・クロスといった大御所バンドからもリスペクトされ、日本とアメリカをロックでつなぐ架け橋となった。現在もコンスタントにを継続しており、4月16日(水)には約2年ぶりとなるニュー・アルバム『Overdrive(嵐のオーバードライブ)』を日本・北米・欧州同時発売でリリースする。
●FACT
1999年に結成された、トリプルギター&ツインボーカルによるハードコアやスクリーモ、スラッシュメタルなどの骨太の音を軸に、ドラムンベースなどダンスミュージックを混ぜ込んだ変則的な展開を見せる音楽で、海外のオーディエンスを魅了しているバンド。2009年8月に行われたイギリスのSonisphere Festivalでは、サブステージでの演奏を予定していたが、メインステージのバンドの到着が遅れたことにより、急遽入れ替えでメインステージに立ち、アウェーの状態から最終的にはそれをひっくり返してみせた。その数日後に行われたサマーソニックでは、オープニングアクトとして過去最高の動員記録を樹立するというストーリーを持つバンド。
●Taffy
2000年代前半に結成された、4人組インディーロックバンド。2012年に1stアルバム「Caramel Sunset」をイギリスでリリースすると、これが現地で評判に。大手紙『ガーディアン』では「誰かこれをアデルとかあのへんに聴かせてやってくれ」と評され、音楽雑誌『NME』では日本人の新人アーティストとして初めて巻頭特集が組まれるなど、さまざまなメディアで絶賛された。イギリスでは2枚のアルバムをリリースし、特に日本でも昨年の12月4日(水)にリリースされた『Lixiviate』は、邦楽アーティストには難しいと言われてきた『NME』でのディスクレビューに掲載されたり、イギリスの主要ウェブ〜紙メディアでは軒並み満点を獲得しているなど、輝かしい功績を残している。
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●BO NINGEN
イギリスのアートカレッジで知り合った、ロンドン在住の日本人4人によるサイケデリックロックバンド。2009年に限定リリースしたデビューEP『Koroshitai Kimochi』は即完売し、世界的に有名なフェスである“Glastonbury Festival”や“Offset Festival”などに抜擢されるなど大躍進。2010年にリリースしたアルバム『Bo Ningen』は各方面で大絶賛を受け、母国である日本でも話題を集める。FRANZ FERDINANDやKlaxonsといったUKロックシーンを代表する先人たちからも賞賛を受けるなど、向こうでの評価は高い。さらに音楽シーンだけでなく、ファッション誌や老舗シューズメーカーのモデルにも起用されるなど、アートの面からも注目を集めている。
●Jesse Ruins
2011年、前述の大手紙『ガーディアン』 のウェブサイト上で、「日本人ということは分かっているが、女性か男性かは定かではない。ただ、彼らの音楽は圧倒的に素晴らしい」と評され話題になった、新世代のジャパニーズ・インディ・アクト。Captured Tracks、 Double Denim Records、Lefse Recordsなど海外の注目レーベルがこぞってその音源をリリースする彼らのサウンドは、M83やMy Bloody Valentineにも通じるドリーミーな煌きを持った抒情的なシンセポップ。都会的に洗練された、アンビエントな世界観も伝わってくる。
世界で名を轟かせていても、日本で知られていないというアーティストは数多く存在する。いい音楽をやっていてインターネット上に音源があれば、正当に評価する人が現れやすい世の中になったと言えるかもしれない。(リアルサウンド編集部)
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