視覚敏感な「ろうあ」従業員、上司にブラインド開けられる嫌がらせ…オリックスを提訴

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2017年03月21日 19:33  弁護士ドットコム

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オリックスで約25年間働く、ろうあの女性・和田明子さん(45)が3月21日、会社から不当な懲戒処分を受け、無期限の在宅勤務や給与の減額を強いられているとして、東京地裁に提訴した。慰謝料300万のほか、減額された給与の差額なども求めている。職場でのパワハラやいじめもあったという。


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訴状によると、和田さんは生まれつき耳が聞こえず、手話や筆談を使って意思の疎通をしている。オリックスには1991年に入社し、事務職として入力作業などを行ってきた。


ろうあ者は、耳が聞こえない分、視覚が敏感とされる。和田さんは会社に対し、日差し対策を要請していたが、新しく異動してきた上司は、ブラインドを原則オープンにするなど、安全配慮義務違反やパワハラとも受け止められる方針を打ち出してきたという。


また、和田さんは会社に日よけを設置してもらっていたが、上司や同僚から日よけを揺さぶられるなどの嫌がらせを受けていたという。しかし、和田さんが嫌がらせをしてきた従業員とトラブルになると、会社は和田さんのみを懲戒処分(けん責)とし、無期限の在宅勤務を命令。PDF化された銀行のデイリーレポートを、エクセル表に転記する作業などをさせた。この結果、和田さんの2015年の通期評価は、これまで一度もとったことのない最低ランクとなり、給与も下がった。和田さんは、処分や現在の処遇は違法だと主張している。


提訴後、厚労省記者クラブで記者会見が開かれた。和田さんは手話通訳者を通じ、「健常者はろうに対して、配慮をするのが面倒だと思っているようです」「何があっても、ろうの責任とされることが多い」などと訴えた。


オリックスは、「訴状が届いていないので、事実関係を確認できない。現状でのコメントは差し控えたい」としている。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 自分の会社に聾唖の方働いてますが正当な評価されてます。社員みんな手話覚えて仲良くやってますOK
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