“藤吉ロス”なぜ起こらない? 松坂桃李、死してなお『わろてんか』に出続ける異例の展開が話題

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2018年02月28日 06:02  リアルサウンド

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 NHKの連続テレビ小説『わろてんか』で異例の事態が起きている。近年、ドラマが最終回を迎えたり、主要人物が途中から劇中に顔を見せなくなったりすると、視聴者の間で“〇〇ロス”現象が広がる傾向がある。全151話の『わろてんか』でも、第17週の第97話で藤吉(松坂桃李)が亡くなり、感動のシーンを迎えていた。しかし、藤吉演じる松坂は、第3話から本作に出演しており、出番が長かっただけに、大きなロス現象を巻き起こす恐れがあったが、全く起らない。それもそのはず、藤吉は、回想シーンでもなく、夢の中で現れるという設定でもなく、いまだに“幽霊”として登場しているのである。


参考:「僕を、買ってください。」“娼夫”役の松坂桃李が欲望の世界へ R18映画『娼年』特報


 2015年度下半期放送の朝ドラ『あさが来た』では、本作で一躍有名となったディーン・フジオカが演じる“五代さま”こと五代友厚が、第95話で亡くなった際、“五代さまロス”な視聴者が続出した。その後、生死の境をさまようあさ(波瑠)の夢の中に五代が現れる場面で再登場を果たしたが、一度放送されたシーンを再び回想シーンで使うというかたちで、若かりしあさと五代の姿が描かれた。


 さらに、前作『ひよっこ』でも起きたのが“島谷ロス”。竹内涼真が演じた島谷は、同じ寮の住人としてみね子(有村架純)と出会い、恋に発展する。しかし、御曹司である島谷の家庭の事情により破局し、第97話で物語から去ってしまっていた。その後、「島谷再出演」の朗報が入ると、一気にネット上が湧いたが、島谷の左手薬指には指輪が……。みね子との復縁を望む声も多かったため、視聴者からは悲しみの声も相次いだ。


 また、2016年度上半期放送の『とと姉ちゃん』では坂口健太郎が演じた星野武蔵、2016年度下半期放送の『べっぴんさん』では松下優也演じる岩佐栄輔が、それぞれ主人公と一度別れた後に再会を果たすという展開で、物語の前半と後半に出演を果たした。


 実際、これまで『わろてんか』でも“ロス現象”は一度起きている。放送から2週目で早々に姿を消してしまった、千葉雄大が演じる、ヒロイン・てん(葵わかな)の兄、“新一ロス”だ。第12話の冒頭、新一の姿は一切映らず、てんと妹のりん(堀田真由)が、新一の仏壇に手を合わせているシーンで始まり、「新一は家族の笑顔に包まれ、静かに息を引き取りました」というナレーションにより、新一が亡くなったことが判明。また、てんと父・儀兵衛(遠藤憲一)の別れも実際には描かれず、風太(濱田岳)の口から亡くなったことを知らされるという、両者ともあっけない別れの展開だった。


 これまで、1人のイケメン俳優が去ると、そのロスを防ぐべく、新たなイケメンが俳優が投入されるという流れもあった。『ひよっこ』では、何度か同じ出演タイミングもあったものの、竜星涼、竹内涼真、磯村勇斗が少しずつ順番にズレながら登場しており、『あさが来た』では、フジオカと入れ替わるように瀬戸康史が出演した。『わろてんか』でも、松坂のバトンを引き継ぎ、成田凌が成長した息子・隼也を演じている。


 今のところ、幽霊として藤吉が姿を見せたのは、すでに4回ほど。藤吉の死から4年後の第103話では、リリコ(広瀬アリス)と四郎(松尾諭)による漫才コンビ「ミス・リリコ アンド・シロー」を売り出すことに悩むてんを後押しし、第109話でその漫才が成功を収めたときには、「ようやったな」と参上。さらに、第115話でてんが隼也の子育てに失敗したと落ち込む模様を見て、「すまん。隼也のやつ、若い頃の俺と、アカンとこ全く同じやわ」と謝罪する。“藤吉幽霊”が姿を現す際には、必ず2人の思い出が詰まった鈴が鳴る。はじめは戸惑いを見せていたてんだったが、第121話ではもうなんのためらいもない様子で、“鈴を鳴らしたら藤吉が出てくる”という流れが定番かのように描かれていた。


 松坂は、自身の公式Twitter(https://twitter.com/MToriofficial/status/967392660053901313)にて、2月24日にクランクアップを迎えたことを報告。この知らせによって、今後も松坂の登場が期待できることが判明した。


 涙の別れから一転、予想外の度重なる藤吉の降臨に、あっけに取られている視聴者も多いだろう。これが『わろてんか』が見せる、“わろてんか?”な演出なのかもしれない。とはいえ、“藤吉幽霊”は今のところ、てんの良き相談相手として、もしかしたら生きているときよりもいい働きをしているのではないだろうか。死後になってしまったが、本作の冒頭であれだけてんをかき乱していただけに、挽回のチャンスを掴んでほしい。


(大和田茉椰)


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  • 見出しで、某ルイルイ夫人と勘違い��ʥѡ���…一応見てるのに���ä���アカンわぁ。
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