二宮和也主演『ブラックペアン』は医療ドラマに大きな変革を? 渡海の新たな一面にも注目

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2018年05月21日 06:02  リアルサウンド

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 インパクトファクターをめぐる教授同士の争いによって自身の立場を見失いはじめる高階(小泉孝太郎)。一方で、彼が強い思い入れを抱く少女・小春(稲垣来泉)にスナイプ手術の後遺症が現れ始めてしまう。5月20日に放送されたTBS系列日曜劇場『ブラックペアン』第5話は、新たな技術を前にした“医者”のプライドがぶつかりあう好エピソードとなった。


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 スナイプにつづき東城大学医学部付属病院に乗り込んできた新たな“黒船”、それは手術支援ロボットのダーウィン。スナイプ手術の技術こそ、現実の医療界ではまだ臨床試験段階の技術であったが、ダーウィンの名で登場するこの手術支援ロボットは「ダビンチ」という名で現実の医療に実用され始めているのだ。


 日本では現在300台ほど導入されこの4月から保険適用も始まるなど、徐々に身近なものへとなりつつある、まさに医療の“未来”とも呼べる「ダビンチ」。手術用のロボットと一口に聞けば、医者の技術を必要としないと言われたスナイプ以上に、医者の存在さえも不要になってしまうのではないかと思ってしまうところだが、それを操作するにふさわしい“医者の腕”が必要となることは言うまでもない。


 医者の熟練の知識と技術、それが最新鋭のロボットを媒介して患者を救うという図式は、これまでこのドラマの鍵となってきたスナイプと同じだ。もっとも、本作で手術支援ロボットがテレビドラマに初登場を果たしたとなれば、必然的に本作だけでなく、これまで数多作られてきた医療ドラマというジャンル全体にも大きな変革をもたらすことは間違いないだろう。


 さて、今回のエピソードでは帝華大学病院からダーウィンとともに東城大学にやってきたダーウィン手術のスペシャリスト・松岡(音尾琢真)が、体の小さい子供に対する手術であると考えずに凡ミスを犯してしまい、心臓の中核の感染巣を除去する手術に失敗。それを渡海(二宮和也)がダーウィンを超える正確な技術と、輸血ができない患者の自己血液で輸血を行うというアイデアで救い出す展開だ。


 最新技術である手術支援ロボットに対する、“粗探し”とも思えるようなプロットではあるが、その裏にはどんな技術に対しても頼りすぎて油断することなく、あらゆるリスクを想定しておかなければならないという問題提起と、そして医者にしかできないことは、どんな技術にも変えられないと証明しているわけだ。


 小春を救うために「必要ならルールを破る」と宣言し奔走する高階からの頼みに、渡海は暴言ひとつ言わずに手術を行う。この2人のチームワークが回を追うごとに良くなっていると同時に、渡海という人物の人柄を再確認できるエピソードになっていたことは見逃せない。


 ダーウィンに関する文献を読み漁り、徹底的に研究を重ねる。そしていつも通りの暴言を吐きながら、クールに振る舞う。そして内面には「東城大にはできるんだよ」と敵対する帝華大への闘志を秘め、大学病院同士のプライドのぶつかり合いを演出。見事に手術を成功させれば「このぐらい当然だ。医者だからな」と捨て台詞を吐く。これまではダークヒーローのような振る舞いが目立った渡海が、たちまち“努力家のヒーロー”であるという新しい一面を見せたのである。(久保田和馬)


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