E-girls 鷲尾伶菜&藤井夏恋&武部柚那が語る、11人体制の強さとアリーナへの挑戦

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2018年05月21日 18:52  リアルサウンド

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 E-girlsが、5月23日にリリースする『E.G. 11』は、昨年7月に11人体制となってから初となるアルバム。新生E-girlsの「COOL」と「POP」の両面を表現した意欲作だ。「Love ☆ Queen」から「Pain, pain」までのシングル収録曲に加え、藤井夏恋と武部柚那のラップをフィーチャーしたダンスチューン「Show Time」などの新曲3曲を収めているほか、E-girlsデビュー時からの大ヒットソングを鷲尾伶菜、藤井夏恋、武部柚那の3人のボーカルで再録して収録。初回限定盤にはドキュメンタリー映像と、100ページの撮り下ろしフォトブックも付いている。


参考:カリスマカンタローが語る、日本のダンス界の未来 「世界のダンサーが目指す場所に」


 6月2日からは本作を提げてのアリーナツアー『E-girls LIVE TOUR 2018 〜E.G. 11〜』を開始する彼女たちは今、どんな心境にあるのか。ボーカルの鷲尾伶菜、藤井夏恋、武部柚那が、その意気込みを熱く語った。(編集部)


■鷲尾「個性を活かして新しいことに挑戦」


ーー昨年7月に11人体制になって以降、『E.G.11』は初となるアルバムです。これまで『Love ☆ Queen』『北風と太陽』『あいしてると言ってよかった』『Pain, pain』と、シングルのリリースを重ねてきて、三人の役割は定まってきましたか?


鷲尾:新体制になったばかりの頃は、私がリードボーカルをさせていただき、ユズが高音、夏恋がラップというイメージもあったかと思いますが、今回のアルバムのリード曲「Show Time」はラップがメインとなるラテン系のリズミカルなダンス曲で、ユズと夏恋のラップに私が歌を被せていくアプローチを採っています。強い女性像を描いているので、特に女性は元気が出る曲だと思います。ダンスもこれまでにないほど激しくてかっこ良くて、もし私が普通のリスナーだとしてもファンになっちゃうくらい(笑)。それぞれの役割を定めていくというより、個性を活かして新しいことに挑戦していくのが、今のE-girlsのスタイルですね。


武部:たとえば私は高音が得意な分、低音は苦手としているのですが、そこを二人に助けてもらうことで、より自分の強みを活かせるようになったと思います。人数が少なくなった分、それぞれの特性が明確になったので、「ポップな曲では自分が明るさを足していこう」みたいなことが意識できるようになりました。逆に、「あいしてると言ってよかった」のようなバラードでは、あえて中低音に挑戦したりと、アプローチに変化を付けられるようにもなりました。


藤井:楽曲に対してどうアプローチしていくか、三人で試行錯誤することによって、挑戦できることの幅は確かに広がりましたね。その分、よりテクニカルになった部分もあって、たとえばユズのラップに続くときには、その温度感に合わせていかないと違和感が出たりするので、調整をする必要があります。また、HappinessでのラップとE-girlsでのラップも、アプローチが違っていて、Happinessでは楽曲内のキャラが立っているので、ラップの中で演技をするようなイメージですが、E-girlsはもっと真っ直ぐなイメージなので、シンギング・ラップに近づけてポップになるように工夫しています。


ーー鷲尾さんと武部さんは、それぞれFlowerとスダンナユズユリーとどのように切り替えていますか?


鷲尾:私は基本的にどちらも同じで、常に等身大の自分で表現している感じです。アプローチを変えるというより、曲に合わせることを意識していますね。私はラップパートなどがほとんどないので、自然とそうなるのかもしれません。


武部:私はけっこう真逆のことをやっているので、アプローチも違ってきますね。スダンナユズユリーはヒップホップだから、自分をそのまま出していくような感じだけれど、E-girlsでは楽曲の世界に染まっていけるように意識しています。二つのグループで活動することによって、それぞれの表現の違いを客観的に見れるようになったのは、すごくプラスだなと感じています。


ーー11人体制になって以降、メンバーそれぞれの責任も大きくなったのでは。


鷲尾:そうですね。以前は先輩に任せっきりになっていたこととかも、自分たちでやらなければいけないという意識は強くなったと思います。


武部:ひとまとまりのグループとしてのE-girlsから、11人それぞれが自分の個性を活かしたグループにしていきたいという意識はあって、その分、個々の責任感や自主性は強くなってきました。個性を活かしたからこそ、バラード曲のようにこれまでとは異なる表現に挑戦することもできるようになったので、そこはひとつE-girlsとしての進化かなと。


藤井:単純に年齢的な変化もありますね。以前は10代の子がほとんどで、それがポップで明るいイメージに繋がっていたけれど、最近はみんな大人になってきて、色気のある表現とかも様になってきました。新しいアルバムには、これまでのE-girlsの代表曲を再録した盤も収録されているんですけれど、ちゃんと大人っぽくなっているんですよね。


鷲尾:今回、歌い直してみたら、以前とは全然違う歌い方になっていたことに気付いてびっくりしました。特に「Follow Me」が全然違っているので、聴き比べてみると面白いと思います。それと、個人的には「DANCE WITH ME NOW!」も気に入っていて。オリジナルはShizukaさんの声の印象が強くてかっこいいんですけれど、今回はトラックもアレンジが変わっていますし、ユズが加わったことでまた新しい曲に聴こえるんです。


ーーLDHのアーティストとしても、楽曲を歌い継いでいくのは重要ですね。


武部:AmiさんやShizukaさんの声は個性が立っていたから、歌い継ぐと考えると難しいけれど、大事なのは楽曲に込められた気持ちや世界観を大切にすることなのかなって。だから、どうすれば新しいアプローチになるのかを重視して、自分たちらしさを意識するようにしました。結果として、新しいE-girlsを感じてもらえる仕上がりになっていると思います。


ーー『E.G.11』全体としてはどんな印象ですか?


鷲尾:本当に幅広い楽曲に挑戦させていただいたなと。いろんなジャンルの楽曲を歌うのは、最近になってやっとできるようになってきたことで、ようやく皆さんに聴かせられるようになったという印象です。おそらく以前だと、背伸びしているように聴こえた曲も等身大で歌えるようになったというか。この幅広さは新生E-girlsの武器になるし、ライブでの表現にも繋がっていくと思います。新曲も多いけれど、初めて聴いても楽しめる曲が揃っているので、ぜひ全編通して聴いてほしいですね。


藤井:自分たちでも新鮮に感じる曲は多いです。HappinessでもE-girlsでも、私は比較的ハードなアプローチをする曲が多かったので、たとえば「あいしてると言ってよかった」のようなバラードでは新しい発見もありましたし、そういう意味で引き出しを増やすことができた一枚でした。


■藤井「お互いをリスペクトできる関係性に」


ーー11人体制になって、チームの雰囲気には変化がありましたか?


鷲尾:一人ひとりがちゃんと意見を言うようになりました。たくさんのアイデアが出てくるようになったのは、ひとつ成長したポイントだと思います。


武部:それぞれみんな感性が違っていて、ユニークな発想をするメンバーも多いんです。こういうことをしてみたいとか、これをやったらファンの方が喜んでくれるかなとか、その中でどのアイデアなら実現できるのかとか。ライブの演出やセットリストを話し合う会議で、以前はそういうラフなアイデアが飛び交うことがあまりなかったんですけれど、今は良い意味で緊張感がなくて、すごく活発になりました。たとえば、衣装に関しては(佐藤)晴美さんや(坂東)希さんが資料を集めてくださったりするし、演出ならパフォーマーチームのSAYAKAさんや楓さんやスダンナ(須田アンナ)がアイデアを出してくれたりします。しかも、みんな毎日一緒にいて、同じものを見てきているから、それぞれのアイデアに共感できるし、想像もできるんです。だから「それいいね!」って意見がまとまることも多い。6月からのツアーでは、私たちらしさがしっかり出たライブをお見せできると思います。


藤井:チームワークは良いですよね。全員が変に気を使わず、固くならず、良い雰囲気で。上下関係を意識しつつも、お互いをリスペクトできる関係性になりました。この関係を継続しながら、みんなで成長していけたら嬉しいです。


ーー『E.G.11』の初回限定盤にはドキュメンタリー「Prologue」が収録されています。こちらでは、そんな皆さんの模様も観ることができるのでしょうか?


鷲尾:そうですね。これまではツアーの密着ドキュメンタリーのような形でしたけれど、今回はもっと制作の裏側というか、私たちが普段どんな風に過ごしているのかとか、何を考えているのかとか、そういう一人ひとりの素顔に迫った内容になっています。すごくリアルなドキュメンタリーで、私たちの人間らしさも滲み出ていると思うので、そこを観ていただけたら。


武部:E-girlsとしての私たちだけではなくて、いろんな場面を切り取ってもらっています。たとえば私の場合、スダンナユズユリーが連載しているファッション雑誌『smart』の現場も取材していただいて、かなり素の自分たちを見せています。それこそ、さっき言ってた会議でも撮影をしていたので、真面目に話しているところで誰かのアイデアで急に爆笑したりとか、そういうシーンも収められていると思います。


藤井:今回のツアーのリハーサルの模様も撮影されているので、私たちが一からセットリストを作っているのも確認できると思います。その様子を観て「こういう風に作っているんだ」と感じたうえでライブに来てもらえると、いっそうE-girlsの世界に浸っていただけるのではないでしょうか。


■武部「11人で今できる最大限の努力を」


ーー初の武道館単独ライブの時から、毎年拝観させていただいているのですが、アリーナに11人で挑むのは大きな挑戦だと感じます。


鷲尾:かなりの挑戦ですね。ボーカルが三人に減ったので、今まで以上に一人ひとりの負担も増えるし、パフォーマーもステージが広く感じるはず。でも、そこはたくさんのことを考え、試行錯誤して、自分たちのパフォーマンスを磨くことで乗り越えていかなければいけないと思います。今回、この11人体制に勢いをつけるライブにしなければいけないという気持ちがメンバー全員に強くあって、だからこそリハーサルでも活発にアイデアが出てくるのだと思います。一人ひとりの気持ちをすべて、このライブに詰め込むことができれば、きっとうまく行くと思っています。


武部:これほど「無事に始まりを迎えて、無事に終えることができれば良い」と思ったのは初めてです。E-girlsとしてはアリーナは5回目で、私はステージ上でメンバーの笑顔を見るのが一番の楽しみなのですが、その楽しみと同じくらい、いま準備していることを無事に届けられるかどうかというところでドキドキしています。もちろん、11人で立った時にお客さんからどんな風に見えるのかも気になります。これまではサポートメンバーも多かったけれど、今回は11人それぞれの力を最大化していくような演出にしているので。あとは体力勝負ですね。「お水が一口でも飲めたらいいな」というくらい出ずっぱりなので、しっかり体も作っていきたいと思います。


藤井:今回はメンバー発案のアイデアもふんだんに使われているから、演出に遊び心もあります。19人体制のときはストーリー性があって世界観が作り込まれていたけれど、今回はファンの方と一緒に遊ぶ感じを重視していて、ライブに参加している感じがさらに味わえると思います。最後まで飽きないライブになっているはずです。新曲も多いから、あまり聞いたことがない曲もあると思いますが、それでも楽しめる演出を考えています。


ーーツアーに向けて、かなり気持ちが高まっている感じですか?


鷲尾:リハーサルの時間は、今までで一番あっという間に感じますね。今はぶっ通しでやっても最後までちゃんとやれる感じで。きっと、自然と「集中力を切らせている場合ではない」という意識になっているんだと思います。最近、やっと実践的な動きの練習が始まったので、完成形を見るのが自分でも楽しみです。


藤井:たぶん、ファンの皆さんは11人になったことに対して、まだ不安があると思うんです。でも、今回のライブを見ていただけたら、きっと私たちのパフォーマンスの進化を感じていただけるはず。今回のライブを機に、「やっぱりE-girlsは最高」とか「ちゃんと応援しよう」と思っていただけるように、今は集中して頑張っているところです。


武部:もちろん、ファンの方は楽しみにしているでしょうから、新曲だけではなく、E-girlsの代表曲も披露する予定です。11人体制ならではのアレンジになっているので、きっとこれまでとは違ったイメージで楽しめるはず。以前は元気にダンスしていた曲で、こういう風に歌うんだとか、逆にこの曲でこんなに踊るんだとか、楽曲のアレンジや見せ方で変化を付けているので、そこも楽しみにしてほしいです。


ーー前回の「E.G.EVOLUTION」はそれぞれの進化を見せるような構成で、11人体制によるパフォーマンスはお披露目的な意味合いが強かったと思います。今回は改めてその実力が問われるところで、緊張感もありますね。


鷲尾:E-girlsは、EXILEのように名前を残していかなければいけないグループで、メンバーが変わってもE-girlsというブランドは残るということを、まずは私たちが示さなければいけません。そのためにも土台作りをしっかりしなければいけない段階だと思います。今回のライブは、そういう意味でも非常に重要なので、見届けてほしいです。


武部:ファッションで今流行っているものは、昔に流行したものを現代風にアレンジしたもので、音楽もまた同じように流行を繰り返しながら進化していくものだと思います。E-girlsもその時代の空気を取り入れながら、過去の名曲やパフォーマンスを進化させて届けられるようなグループにしていきたいです。歌って踊れるガールズパフォーマンスグループはそれほど多くはなくて、そこがE-girlsの最大の武器だと思うので、初心を大事にしつつ、11人で今できる最大限の努力をしたいと思います。


藤井:まずは今までのファンの皆さんに納得していただくのが、今のE-girlsには必要だと感じています。絶対に楽しんでいただけるライブにするので、ぜひ観に来てください。(取材・文=松田広宣/写真=林直幸)


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