『メゾン・ド・ポリス』『わたおじ』『渋井直人の休日』……おっさん・おじさんドラマ、なぜ増加?

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2019年01月25日 15:22  リアルサウンド

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 2018年に世を席巻したドラマといえば、やはり『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)だろう。主演の田中圭は大ブレイクを果たし、春田創一(田中)にゾッコンの黒澤武蔵を演じた吉田鋼太郎は、唯一無二の“おっさんヒロイン”として人気を博した。そんな同作を筆頭に、最近はおじさま達が活躍する作品が増加。1月期にも、おじさまを中心としたドラマが目白押しとなっている。


参考:高畑充希を翻弄する、おじさま5人の生態


 高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)は、新人刑事の牧野ひよりが、退職警察官たちのシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」で暮らすおじさま達に振り回されながら、事件を解決していく刑事ドラマ。出演するおじさまは、西島秀俊、小日向文世、野口五郎、角野卓造、近藤正臣と超豪華な面々。シェアハウスでマイペースに暮らす様と、それぞれ捜査に対する熱い思いや確かな能力といったギャップが好評だ。


 『私のおじさん〜WATAOJI〜』(テレビ朝日系)で、遠藤憲一が演じるのは、なんと“おじさん妖精”。岡田結実扮する新人女性AD・一ノ瀬ひかりの前に突然現れ、本音を言えずに疲弊しながら働くひかりをディスりながら、奇妙な生活を送る異色のお仕事ドラマだ。そして第一話が放送されるやいなや、遠藤の妖精ぶりが「かわいい」「癒やされる」と話題に。ひかりの本音を代弁する役割の他に、ひかりを諭す一面もある妖精で、人生の先輩である“おじさま”という設定がよく生きている。


 また『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)では、ドラマに映画に引っ張りだこの名優・光石研が連ドラ単独初主演。しかも共演には、黒木華、岡山天音、夏帆、池松壮亮、森川葵、川栄李奈、池田エライザ、山口紗弥加、岩松了、村上淳、大森南朋、杉本哲太ら、正直、深夜1時スタートのドラマとは思えないキャストが顔をそろえる。ドラマで描かれるのは、中年男性の日常。一見、誰もが憧れるおしゃれな日々を送る渋井だが、その毎日は一筋縄ではいかず、女性編集者や美大生に振り回されることも……。恋に仕事に人生に、まだまだ現役なおじさまライフを映し出す。


 当然、これまでもドラマの中におじさまは多く登場してきた。だが、ここまでおじさまにフィーチャーした作品が並ぶことは珍しく、やはり今“おじさまブーム”と言っても過言ではないだろう。一体なぜ、ここまでおじさま人気が過熱したのだろうか。


 まず、あげられるのは“かわいい”というキーワード。これまで描かれてきたおじさまたちは、昔気質の頑固親父や、威厳のある上司といった印象が強かった。しかし最近は“かわいい”という点にスポットを当てて描くことで、おじさま達の新たな魅力を引き出す作品が増えているようだ。またそれは、『おっさんずラブ』に登場した乙女部長のような“かわいさ”だけではない。おじさまが一生懸命に慣れないスマホを扱っていたり、腰の痛みを抱えて戦ったりする姿が、自然と“憎めない愛しい存在”として映るのである。


 そして、おじさま作品の王道としてあげられるのは、ふだんは抜けたところのあるおじさまが、仕事となると本領発揮で頼りになるというストーリー。今期でいう『メゾン・ド・ポリス』のパターンだ。この安定感のある展開は、ドラマ視聴者が高齢化している中でも、受け入れられやすい物語といえるはず。さらに、おじさまを演じるのは、キャリアも申し分ない表現力豊かなアラ還俳優陣。安心して身を任せながら、笑いあり、涙ありのドラマをのんびりと鑑賞するのは、とても心地良いものである。


 “かわいい”という側面を武器にしたことで、一気にドラマ界の中心へと躍り出たおじさま達。今夏には『おっさんずラブ』の映画も公開も控えているだけに、おじさま方の活躍にますます注目する日々が続きそうだ。


(nakamura omame)


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  • 猫マンガでも『おじさまと猫』が大人気。ブサカワ猫+イケメンおじさま。流行らないはずがない。
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