波瑠×中川大志が『G線上のあなたと私』を通して考える、コミュニティから生まれる大人の友情

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2019年10月14日 13:01  リアルサウンド

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波瑠と中川大志(撮影:富田一也)

 いよいよ10月15日にスタートする、波瑠主演の火曜ドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)。人気漫画家・いくえみ綾による同名コミックを原作に、大人のバイオリン教室で出会った年齢も立場もバラバラな男女が紡ぐ恋と友情の物語が描かれる。


【写真】バイオリンを弾く波瑠


 寿退社直前に婚約者にフラれ、仕事も結婚も失った元OLの27歳アラサー女子・小暮也映子(波瑠)。心に秘めた想いを抱えるイケメン大学生・加瀬理人(中川大志)。小学生の娘を持ち、姑との関係性が悩みのタネの主婦・北河幸恵(松下由樹)。今からプロを目指すわけではないけれど、「弾けるようになりたい」とバイオリン教室に通いだした3人の人生が、少しずつ共鳴していくーー。


 いくえみ綾×波瑠のタッグで描かれる火曜ドラマは『あなたのことはそれほど』(通称:『あなそれ』)以来。平均視聴率11.2%、最終話は14.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録した話題作を生み出したチームの再集結とあって、自ずと期待が高まる。


 今回、リアルサウンドでは波瑠と中川大志にインタビューを行った。ドラマと同様、撮影が進むごとに、距離が縮まっているというふたりの仲睦まじい掛け合いにも注目!


■波瑠「いくえみ作品は“その表情どっちなの(笑)?”みたいな絵が印象的」


ーー『あなそれ』チームが再集結して描かれる本作ですが、波瑠さんが、いくえみ綾さんの作品を演じる上で、意識されていることはありますか?


波瑠:いくえみさんの作品は、もともと好きで個人的にもいろいろと読んでいたんですけど、“その表情どっちなの(笑)?”みたいな絵がすごく印象的ですね。どんな感情とも言いがたい顔と、シュールな心の声が吹き出しであって。


ーーなるほど。それを演じるというのは、難しそうですね。


波瑠:本当にそのとおりです。なので、漫画とドラマとは分けて考えていかないと、と思っています。生身の人間がやって成立することと、絵だからこそ伝わるものは、別なので。原作を意識はしますが、見え方を寄せすぎないように、というのは気をつけていますね。


中川大志(以下、中川):(納得の表情で)ん〜!


ーー中川さんも思い当たるフシがありますか?


中川:僕は台本を読んで思ったのが、説明しすぎていないところが多いなって。わかりやすくやれば、もっとやり方はあるんでしょうけど、視聴者のみなさんに想像してもらう余白を感じましたね。そういう意味では、すごくリアルに感情移入できるんじゃないかと思いました。それから、今の段階ではわからないけれど、後々繋がってくるという展開も連続ドラマの良さというか、面白いと思いますね。なので、原作を意識して計算して……というよりは、素直に演じていきたいなと思っています。


ーー今回は、原作漫画はすでに完結されていますが、ドラマオリジナルの部分も描かれる予定なんでしょうか?


波瑠:私たちもまだラストまではわからないんですけど、やっぱり素敵な役者さんがたくさん出演されているので、そういう意味での肉付けはドラマならではになるんじゃないでしょうか。原作ファンの方も、ドラマから作品を知ってくださった方も、どちらも楽しめるような作品になるようにしたいですね!


ーー制作スタートのタイミングで行われた囲み取材のときには、松下由樹さんも含めて、初共演のお三方で「これから仲良くなっていく」とおっしゃっていましたが、撮影が進んだ今いかがですか?


波瑠:仲良くなりましたよ!


中川:なりましたね〜!


波瑠:撮影が始まって1カ月くらいですけど、いろいろな番組とかイベントに一緒に出させていただいていますし。バイオリンの練習とかもあるし、ね?


中川:俺、もっと仲良くなれないと思ってました。


波瑠:そうですか? あ〜、でも私と松下さんと2対1で、男の子ひとりだったからか。


中川:はい(笑)。すごく不安だったんですけど、今じゃ全然!


■「損得のないコミュニティが、自分にいい影響を与えてくれる」


ーー本作では、大人のバイオリン教室という新しいコミュニティが物語のキーになっていますが、おふたりは仕事や家庭以外に、趣味などで繋がっている仲間や居心地のいい場所はありますか?


波瑠:私は、ゲーム仲間ですね。オンラインの。


中川:え!? それは波瑠さんだって知らせずにやってるってことですか?


波瑠:あ、最初は知らずに遊んでましたね。


中川:えー! でも、もう明かしたんだ?


波瑠:うん。でも会ったことない人もいるよ。


中川:それ、怖くないですか?


波瑠:え、全然怖くないよ。みんな、いい人だし。


中川:え〜、それ全然訳わかんない!  想像がつかない!


波瑠:でも知り合いの知り合いとか。ちゃんと知ってる人をひとり挟んでるから。


中川:あー、それならよかった。全く知らない人ではないんだね。いきなりバーチャルで会った人と繋がってるのかと思った。


ーー中川さんのほうが、保守的というか、慎重派ですね。


波瑠:あ、でも、彼はまっとうな反応だと思います。


中川:俺は、アナログの付き合いなので(笑)。よく行く飲み屋さんの常連さんたちと、仲良くさせてもらっていますね。なかなか、この仕事をしていると、異業種の方といろんな話とかできないじゃないですか。そのお店だと“芸能人”というよりも、営業さんがいて、販売の人がいて……そのなかで自分はイチ役者という感じでいられるのが、すごく楽しいんですよ。


波瑠:お互いにそういう環境があることが、自分にとっていい影響があるのは知っていますし、演じる上でも実感しますよね。


ーー『G線上のあなたと私』を通じて、そんなコミュニティを持つ大人が増えるかもしれませんね。


波瑠:そうですね。私がこの作品を通じて感じたのは、習い事で出会って生まれる関係性って、誰にも損得がないんですよね。特に大人になってから始めることは、今から何かになりたくてというよりも、自分をどれだけ豊かにしていくかという方向性なので。そういう損得のないコミュニティを持つことやそこから生まれる友情みたいなものを、自分も一歩踏み出せば手に入るかもしれないと思ってもらえたら嬉しいですね。


中川:たしかに。習い事って、経験したことない人にとっては、なかなか想像のつかない特殊な空間だと思うんですよ。たまたま同じ曜日の同じ時間のクラスになっただけの男女が、こんなにも人生が交わっていくこともある。お互いにいろいろな影響を与えあって、気付かされていくこともあるんだと、日々の流れと共に見守ってもらえたらと思います。


(取材・文=佐藤結衣)


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