映画『イエスタデイ』でダニー・ボイル監督が無名の俳優を主演に起用したワケ ビートルズのいない世界を描くのにぴったりなキャラとは?

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2019年10月15日 19:32  Techinsight Japan

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ヒメーシュ・パテルとエド・シーラン(画像は『映画『イエスタデイ』公式 2019年10月11日付Twitter「OA情報 10/12(土)9:30〜生放送 TBS「#王様のブランチ」にて#映画イエスタデイ が紹介予定です」』のスクリーンショット)
ビートルズを題材にしたイギリスのラブコメディ映画『イエスタデイ』が10月11日に日本公開された。映画コピーで「昨日まで世界中の誰もが知っていたビートルズ。今日、僕以外の誰もしらない…」と紹介されているように、主人公の売れないミュージシャンが事故に遭い、病院のベッドで目覚めると周りの人々がことごとく「ビートルズ? 何それ?」と反応するばかりか、ネットで検索してもロックバンド・ビートルズの情報は一切得られない。そんな状況に置かれたシンガーソングライターのジャック・マリック役を好演しているのがヒメーシュ・パテルだ。

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コメディ俳優のヒメーシュ・パテルは2007年にBBCのテレビシリーズ『EastEnders』のタムワー・マソオッド役でデビューしており、現在はチャンネル4のシットコム『Damned』に出演しているが、世界的な知名度はまだ高くない。

本作を手がけたのは『トレインスポッティング』、『スラムドッグ$ミリオネア』で知られるダニー・ボイル監督である。監督は主演にヒメーシュ・パテルを起用した理由について、インタビューで「すぐ名前が挙がる俳優ではない、出演実績がないからね。でも演奏するのを見たら彼に決まった」との趣旨を話している。

映画『イエスタデイ』は前述のような設定からビートルズは登場しない。リスペクトするビートルズの楽曲をカバーして複雑な気持ちで自分の作品として発表する役柄を演じるには、ヒメーシュ・パテルならではのナチュラルなルックスとピュアな歌声でなければマッチしなかっただろう。

ビートルズに影響を受けたアーティストは数知れないが、本作の主人公に求められるのは素晴らしいパフォーマンスよりも、売れないミュージシャンがどうビートルズの歌を心に響かせるかが見どころの一つとなっている。

たとえばリアム・ギャラガーが主人公のジャック役で歌ったとしても、本作の意図には添えなかっただろう。もっとも彼が出演するとストーリーの内容がややこしくなるので、まずあり得ないが。

ちなみにジャックが事故後に目覚めた世の中では、ビートルズの他にも存在しないアイテムがいくつかあり、どのような状況が起きたのか考察するヒントになっているのもおもしろい。

ツイートでは「イエスタデイ、見てきました。ほっこりしました。さすがのダニー・ボイルもビートルズの前では童心に帰るのかな。ファンのなら一度はするもしも…が描かれてました」、「イエスタデイ観に行ったんだけどベネディクトカンバーバッチ軽くネタにされてた(笑) ビートルズ好きな人はもれなく観に行けば良いし、ビートルズあんまり知らん人も観に行けば良いと思う 誰が見ても聞いたことあるような曲ばっかりやしさ!!」という感想が見受けられた。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ではクイーンが再注目されたが、『イエスタデイ』もファンのみならずビートルズを知らない世代に観てもらいたい作品である。



画像は『映画『イエスタデイ』公式 2019年10月11日付Twitter「OA情報 10/12(土)9:30〜生放送 TBS「#王様のブランチ」にて#映画イエスタデイ が紹介予定です」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)
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