逮捕状請求されたガーシー氏「一生、帰国しない」と宣言 ゴーン氏のように逃げ切れる?

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2023年03月17日 11:01  弁護士ドットコム

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海外に滞在し、3月15日に参院本会議で除名処分となった政治家女子48党のガーシー(東谷義和)元参院議員に対し、著名人を中傷したなどとして、警視庁が同月16日、暴力行為処罰法違反(常習的脅迫)や名誉毀損などの疑いで逮捕状を請求したと報じられています。


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警察は、外務省に旅券返納命令を求めるとともに、国際手配に向けた手続きを進める方針です。



スポニチ(3月16日)の報道によると、ガーシー氏はSNSでのライブ配信で「日本には帰りませんから。引っ越し先は誰にも言わないです」と現在滞在しているアラブ首長国連邦のドバイから引っ越しする意思を示したそうです。



「これで一生、帰国しないことを覚悟できました」とも話しているガーシー氏ですが、身柄が日本に引き渡される可能性はあるのでしょうか。



●アメリカや韓国に向かう可能性は低い?

日本で犯罪をしたとされ国外に逃亡した被疑者については、「犯罪人引渡条約」を締結している国であれば、逃亡先の政府に引渡しを要求することができます。ただ、日本が条約を締結しているのは、アメリカと韓国の2カ国のみです。



そのため、ガーシー氏の今後の引っ越し先は不明ですが、条約を締結しているアメリカや韓国に向かう可能性は低いとみられます。



なぜ、日本と犯罪人引渡条約を締結している国は少ないのでしょうか。その理由のひとつとして、日本に死刑制度が残っていることがあげられます。世界的にみれば、死刑の廃止に踏み切る国が増加傾向にあることから、死刑制度が残っている日本への引渡しに抵抗を示す国もあるとみられます。



●条例を締結していなくても身柄が引き渡されることも

ただ、条約を締結していなくても、相手国の判断によっては、身柄が引き渡される可能性もあります。最近の事例では、特殊詐欺事件に関与したなどとして逮捕された「ルフィ」と名乗る人物らは、条約締結国ではないフィリピンに滞在していましたが、身柄が引き渡されました。



法務省作成の2022年版犯罪白書によると、国外に逃亡した被疑者などは、同じ期間で、日本人130人前後、外国人550人前後で推移しています。一方、外国から引渡しを受けた逃亡犯罪人の人数は、2017年は2人、2018年から2020年までは0人、2021年は2人とかなり少ない人数で推移しているようです。



金融商品取引法違反等で逮捕・起訴された日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏は、保釈中にレバノンに逃亡したままです。条約締結国ではないという事情だけではなく、レバノンには自国民を引き渡さないという「自国民不引渡制度」があることも障壁となっています。



ガーシー氏は逃げ切ることができるのでしょうか。今後の動きが注目されます。



【監修協力弁護士】
森中 剛(もりなか ごう)弁護士
弁護士法人Authense法律事務所
元裁判官。退官後、福岡県にて弁護士活動を開始し、2020年、弁護士法人Authense法律事務所入所。中小企業だけでなく大企業に対しても、予防法務から訴訟対応まで、幅広いリーガルサービスを提供している。


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  • 別に構わないけど。ゴーンのように出身国が守ってくれるわけではない。いずれにしても不法滞在になるわけで、先進国のような日本と関係の深い国にはいけないだろう
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