特に思春期の男女において、「身長」は切実な問題になりやすい。“壁ドン”や“顎クイ”など、創作においてもキュンキュンする表現は男性が女性よりも身長が高いことが前提となっていることが多く、あらゆる面で多様性が叫ばれるいまも読者の間で議論を呼んでいる状況だ。そんななか、Twitterのフォロワーが1.4万人を数える漫画家・杏乃さん(@sakana32929)が創作漫画『頼むから見おろすな…』を公開。低身長の男子と高身長の女子の恋を描き、ステレオタイプな「身長」に対する悩みを相対化してくれる作品だ。
(参考:漫画『頼むから見おろすな…』を読む)
20歳を過ぎて漫画に目覚め、現在商業漫画家としても活動する杏乃さんに本作がどのように誕生したのかなど話を聞いた。(望月悠木)
■ラストは一番描きたかったシーン
――どのようなキッカケで『頼むから見おろすな…』を制作しようと思ったのですか?
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杏乃:幼なじみという設定が好きなのですが、幼少期から思春期を経て変化していく心情や身体を描きたかったんです。
――武志もさくらもどちらも可愛らしく描かれていましたね。
杏乃:制作した当時、「おねショタって可愛いよな〜」と思っており、背の高い女子と小さい男子の組み合わせを思い付きました。漫画はキャラから作ることが多く、その後に幼馴染という設定を付け足して、みたいな感じです。また、どんな漫画も女の子を可愛く描くことにこだわっています。
――武志の「俺は家から一番近い偏差値35のところ」というセリフが、中学生らしいプライドが見え隠れしていてリアルでした。
杏乃:「そこら辺にいる普通の中学生にしよう」と意識していたので、中学生らしさが出せたかなと思っています。あとは武志の見た目でハイスペ路線は難しいとも感じていましたで。
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――ラストの階段を使って武志が宣戦布告するシーンが青春感が溢れていて素敵でした!
杏乃:このシーンが描きたくて描きました! というより最初に思いついたのがこのシーンです。青春っぽさを感じてもらえると嬉しいです。ただ、“背の高い男子×低い女子”ですと王道少女漫画のイメージですが、本作は背の低い男子が主人公です。なおかつ少女漫画テイストだったので「読み手は共感するのが難しかったのではないか……」という不安もあります。
――最後に今後はどのように活動していく予定ですか?
杏乃:現在は連載の準備中です。漫画を描くことは大変だけど楽しいので、これからもどんどん発表していけたらと思っています!
(取材・文=望月悠木)
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