衆院予算委員会で答弁する石破茂首相=17日午前、国会内 石破茂首相は17日の衆院予算委員会で、北朝鮮による拉致被害者有本恵子さんの父明弘さんが死去したことを受け、「一日も早い被害者帰国をあらゆる手段を使って実現させねばならない」と述べた。「明弘さんが亡くなったことは本当に残念だ」とも語った。
首相は日米両政府が調整するトランプ大統領の来日に関し、実現すれば拉致被害者家族との面会の場を設ける意向を示した。トランプ氏は2017年と19年に日本を訪れた際、被害者や家族と対面している。
拉致問題について首相は、トランプ氏から金正恩朝鮮労働党総書記に絶えず提起してもらうことが必要だと指摘。その上で「米国頼みではなく、わが国として解決することが内閣の至上命令だ」と強調した。自民党の牧島かれん、黄川田仁志両氏への答弁。
明弘さんは96歳で亡くなった。拉致問題担当相を兼務する林芳正官房長官は17日の記者会見で「存命の間に恵子さんの帰国を実現できなかったことは誠に断腸の思いだ」と述べた。拉致問題解決に向け、「政府として総力を挙げて最も有効な手だてを講じていく」と語った。
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記者会見する林芳正官房長官=17日午前、首相官邸