インタビューに答える上智大の三浦まり教授=1月14日、東京都千代田区 日本初の女性首相が誕生し、女性の地位向上は進むのか。ジェンダーと政治に詳しい三浦まり上智大教授(現代日本政治論)に話を聞いた。
高市早苗首相が誕生したが、「ガラスの天井」は破られていない。彼女の場合は小さな穴が開いて、麻生太郎自民党副総裁の最後の一押しではい上がることができた。他の女性にはまだ厳然たる天井がある。今後、ガラスの天井を壊していくには、社会が初の女性首相誕生だけで満足せず、前に進まなくてはならない。
2月の衆院選を経て女性国会議員は減った。ジェンダーギャップ指数は、女性議員や女性閣僚の数が重視されるため、女性首相だけでは大きく改善しない。最大議席を占める自民党の女性候補者が少ないことが、依然として国際水準から乖離(かいり)している要因だ。
女性はお金、人脈、時間といった資源が少なく、男性と比較して政治キャリアの形成が難しい。中でも日本は、家事や育児・介護などのケア時間の男女差が先進国で最も大きい。ケア責任を負わず、お金がある女性でないと政治家として男性と対等に戦えない。
女性議員を増やすには、議席の一定数を男女に割り当てるクオータ制が効果的だ。「結果平等より機会平等」という二分法は正しくなく、議員や閣僚になる機会を男女平等にして、成果を出してもらうべきだ。女性比率が高まると、女性が発言しやすくなり、男性的な政治の仕組みも変わるだろう。
ジェンダー平等の流れは来ており、特に若い世代では当たり前になりつつある。一方で、阻止しようとする「バックラッシュ」(反動)もある。明治や昭和の日本を「成功体験」と感じ、それに回帰したいという、家父長制的な価値観を持つ層からの高市氏への支持は高い。人口減少下の日本で、女性無しでは経済は回らない。性別で不平等を続ける余裕はない。

国際女性デー2026