国立健康危機管理研究機構(JIHS)の齋藤智也・感染症危機管理部長=4月21日、東京都新宿区 新型コロナウイルスが感染症法上、季節性インフルエンザと同じ5類に移行してから間もなく3年。感染者は激減しており、国立健康危機管理研究機構(JIHS)は「多くの人が免疫を獲得したと考えられる」と分析するが、高齢者らにはなお重症化リスクが残る。JIHSの齋藤智也・感染症危機管理部長は「大型連休は人混みに注意し、感染対策を」と呼び掛ける。
JIHSは、全国約3000の定点医療機関でコロナの患者数を集計。4月13〜19日の1定点当たりの感染者数は0.68人で、昨年同期(1.77人)の半分以下になった。2024年同期は定点医療機関数が約5000だったため単純比較はできないが、3.64人に上っていた。
齋藤氏は、感染者減の要因を「コロナの検査を受ける機会が減少した可能性もある」としつつ、「ワクチンやこれまでの感染を通じ、多くの人が免疫を獲得したのではないか」と考察する。免疫は時間とともに弱まるが、一定の重症予防効果は残るという。「コロナは過度に怖がる必要はなくなった」と評価する。
コロナ感染者数は、新たな変異株が出現することで拡大してきた。最近、海外では従来と系統が異なる「BA3.2」と呼ばれる株が増えており、日本でも確認された。世界保健機関(WHO)は昨年12月、「監視下の変異株」と位置付けた。
この変異株は、感染力はあまり強くなく、症状などもこれまでと大きな違いはないという。ただ、「コロナは終わったわけではない。依然として高齢者や基礎疾患がある人の重症化リスクは高い」と齋藤氏。「リスクのある人は人混みを避けたり、マスクをしたりするなど対策をしてほしい」と注意を促した。