声優・鈴木みのりが「みのりんごとおうち時間」語る「声を聴いて喜んでもらいたい」【私たちのおうち時間#2】

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2020年05月28日 18:02  マイナビニュース

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●自ら準備し、配信したことで気づいたこと

新型コロナウイルス(COVID-19)の急速な感染拡大や症状の重さなどにより2020年4月7日、政府から「緊急事態宣言」が発出された。アニメ・ゲーム・声優業界ではこれを受け、アフレコやラジオ番組の収録ストップ、演劇やライブといった人が集まるイベントの開催延期・中止を多数のコンテンツが判断した。宣言が解除された今も、"いつも通り"からはまだまだ遠い状況が続く。

そんな状況下でも、リモートでの番組収録、YouTubeチャンネルの立ち上げや配信、Twitterでの近況報告やライブ配信など、“いま、自分ができること”を考え、行動に移している人たちがいる。その配信で「元気」「勇気」をもらっている人は少なくないだろう。筆者・M.TOKUもその一人だ。

マイナビニュースでは、そんな皆様の活動や想いを多くの人に知ってもらうため、「私たちのおうち時間」企画を実施。それぞれの「おうち時間」企画を振り返ってもらったほか、自粛期間中の過ごし方、そして、こんな時だからこそ、自身が感じる“エンターテイメントのチカラ”について話を聞いた。

今回は、2020年4月19日に「#みのりんごとおうち時間」と題したTwitterでのライブ配信を行った、声優の鈴木みのりにリモートでインタビューを行った(取材日は5月中旬)。
○●皆さんが安心できる何かをしたい

――鈴木さんは4月に「#みのりんごとおうち時間」を配信されました。これにはどのような経緯があったのでしょうか。

自粛期間でなかなか自身の活動を発信できなくなったとき、自分の身を案じてくれている方々が安心できる何かをできないかな、と思ったんです。その発信方法は色々とあるかと思いますが、私は、インターネットを通じて活躍されているエンターテイナーさんのようなことをやりたくって。

――インターネットで活躍されているエンターテイナーさんといえば、YouTuberさんやニコニコ動画の配信者さんなどでしょうか?

そうですね。私は元々、歌い手さんが歌唱していらっしゃる動画などが、すごく好きだったんです。歌が大好きになったのも、「自分も歌ってみたい」と思ったのも、歌い手さんがきっかけでした。そんな配信者の皆さんから、私は元気や勇気をもらってきたんです。それなら、同じように私が配信をやってみることで、皆さんに元気を届けられるかもしれない。そう思ったので、今回は準備なども自ら行う形での生配信にチャレンジしてみました。

――配信では、ご自身の好きなエンターテイメントについてもお話されていました。実際にやってみて、いかがでしたか?

ラジオなどで一人しゃべりをすることもあるので、特別難しいということはなかったです。ただ声優、歌手である私が趣味に走りすぎていいのかな、ということに悩みました。それでも、私の自然体やいまの日常が皆様の元に届いて少しでも安心してもらえれば、と思ったので、自分らしく、趣味全開の内容で配信しました。

――Twitter上では「#みのりんごとおうち時間」がトレンド入りしましたね。

まさかするとは思っていなくて……!ありがたいです。

―― 色々な人が鈴木さんの配信を楽しみにされていた結果がそのまま表れたのだと思います。

そうだと、すごく嬉しいですね!
○●やるからにはこだわりたい

――今回は準備段階からご自身でされたとのことですが、機材や配信環境を整えるうえで苦戦したことはありましたか?

苦戦した……というよりも、やるからにはこだわりたい! という意思が働いてしまって(笑)。配信すると決めた時、性能の良いマイクを事務所からお借りできたんです。だったら、そのマイクを活かすための環境づくりをしないといけないと思ったんですよね。だから、吸音材や遮音材を通販で購入して、簡易的な防音室みたいなものを自宅内に作りました。DIYみたいで楽しかったのですが、遮音材がすごく分厚くて重くって! しかも、なかなか釘が刺さらなくて、組み立てるのに苦労しました。

――こだわっていますね!

防音ボックスが完成したときは、達成感がありましたね(笑)。その防音対策が終わると、次は配信ソフトをどうしようか考えました。世の中には色々なソフトがあるのですが、声の仕事をしているので、特に音質にはこだわりたかったんです。

――日常のことを伝えるとしても、声優である点は意識していた。

そうですね。声を聴いて喜んでもらいたいという気持ちが強かったです。結局、今回は、普段から生放送やゲーム実況をされている方々が使用されているソフトを参考にして選びました。でも、設定方法が全然分からず……。そこはいつもラジオの配信などでお世話になっているスタッフさんのお力を借りつつ、試行錯誤しながら準備していきました。

――自身も興味があったこととはいえ、スタッフさんたちと協力しながら配信環境を自身で整えられるのはすごいです。

みんなでインターネットの情報を照らし合わせながら、環境を整えて、何とか配信することができました……! 今回の配信をやってみて、ひとつの作品や番組を作るにしても、色々な方のおかげで成り立っているということが、身に染みて分かった気がします。普段のラジオ収録などだと、プロの方が音を録ってくださり、台本も考えてくださっているから、心が満たされていたんですよね。それは、とても幸せなことだと、実感しています。

――なるほど。鈴木さんはご自身のブログで、また「#みのりんごとおうち時間」をやりたいともおっしゃられていましたね。

次は雑談だけじゃなくて、普段のお仕事のことや、いつものライブでは歌わないような曲を許される範囲で「歌ってみた」のノリでやってみたいです! 何も決めずにただコメントを拾ってみるという、視聴者さん次第の企画もいいですね。あとは……今はお芝居が全然できない状況なので、セリフなどの読み上げや朗読みたいなこともやりたいです。

●「エンターテインメント」があるから、生きている
○●今のこの期間に、自分の仕事のタメになることをする

――「#みのりんごとおうち時間」配信やご自身のラジオ番組出演などのお仕事もされていますが、鈴木さんは自粛期間中、どのような過ごし方をされていますか?

思っていた以上に家のなかでやること・やりたいことがたくさんあって……! まずは料理。今までも生きるために必要なくらいはしてきたんですけども、いまはスマホにダウンロードしていた出前系のアプリを全部消して、料理するようにしています。

――覚悟が半端ない!

実は、料理にハマったというよりかは、節約にハマってしまいまして……(笑)。一週間に一回、自転車のカゴに入るくらいの食糧を買い込んで、それで生活することを心がけています。外出も基本はこのタイミングだけですね。あとは、元々ジムに通っていたのですが、今はお休みされているので、家で筋トレをやっています。ジムの先生が動画を送ってくださるので、それを見ながらやっていますね。

――自粛が明けたら、よりパンプアップされた鈴木さんが見られるってことですね。

そうでありたい(笑)。これまでは見た目を意識して筋トレをやっていたわけじゃなかったんですよ。どちらかというと芝居や歌のため。でも、友達がこの自粛期間中に太らないよう、毎日ショートパンツで過ごしていると聞いてから、自分のお肉が気になり始めちゃって……。私も油断せず、筋トレを続けていこうと思います。あとは、中学生以来サボりっぱなしだったギターの練習も再開しました。

――おぉ!

家にあったギターを久しぶりに引っ張ってきたのですが、もう土下座して謝りたいくらい弦が錆びていました(笑)。まずは弦を取り換えないと、と思ったのですが、素人すぎてなかなかうまくいかなくて……。結局、3時間くらいギターの弦と格闘しました。その甲斐あってか、今はものすごく愛着が湧いて練習にも精が出ています(笑)。

――弾き語りの配信も、許される範囲でやりたい?

そうですね。いつかできたらいいな。

――鈴木さんは、自粛期間に色々なことにチャレンジされているんですね。

配信やリモート収録の合間を縫って、色々なことをやっています。私、今のこの期間に、自分の仕事のタメになることをしたいなって思っているんですよね。筋トレもギターもそうですが、その他には好きだったマンガを読み返して当時の気持ちになったり、アニメをたくさん見たり、役者さんがお芝居されている映像作品を見たり。あとは、TVを消して、音楽だけを流して、自分の5年後、10年後を妄想しながら、「それなら、今はこういうことをしたいな」というプランを考えたりしています。

――なかなか普段通りの生活ができないからと言ってネガティブにならず、ポジティブに取り組んでいらっしゃる姿勢、話を聞いているだけで勇気を貰えます。

いやいや、そんな! でも、やれることはやりたいんです。最近は特に「できないと悔しい」という気持ちが強くって。だからこそ、昔に挫折したことでも、またやろうと思えるようになっているのかも。それが普通なのかもしれませんが、私としては大成長です。
○●喜んでくださる方がいらっしゃるからパワーになる

――外見やスキルだけでなく、内面も成長した鈴木さんの活躍が楽しみです。この自粛期間では、同業者の方が鈴木さんと同じように、様々な形で自身の活動やエンタメに関する発信をされています。その中でも鈴木さんが印象に残っているものはありますか?

『アイドルマスター シンデレラガールズ』でご一緒している声優の鈴木絵理さんがブログに動画をアップされていたのですが、ご自身で照明を買ってみたり、誕生日用の壁紙を貼ったりなど工夫されていたのが印象的でした。

あとは、大空直美さん。直美さんはパン作りの過程を自身のナレーション付きで配信されていました。ナレーションは声優ならではだし、直美さんのトーク力も発揮されていてすごく面白いなと思って。また、視聴者の方に番組テロップに使用する絵を募集してコミュニケーションを図るところも、直美さんらしくって、素敵だなと思いました。私はわりとオタク目線で企画を考えちゃいましたが、直美さんは自分の職業だからこそできることをされていたので、さすがです。

――私も色々と拝見しておりますが、皆さん様々な形で自身の声や想いを届けていますよね。

そうですね!

――ここまで自粛期間でやられていることなどを中心にうかがってきましたが、この先、ある程度日常が戻ってきたらどのようなことをやりたいですか?

英会話に通いたいです。私、英語が全然しゃべれなくって……。「気にしなくてもいいよー」ってレベルではないんです。中学1年生にも鼻で笑われるレベル。だから、今のうちに中学3年生までに学ぶ内容を復習して、それを踏まえたうえで英会話教室に通いたいですね。終わらせられればいいんですけどね……ふふふ……。

――自粛期間中に色々とチャレンジされている鈴木さんなら、きっと大丈夫です! でも、英語を学習しておけば、お芝居や歌に活かせるかもしれないですね。

そうですね。演じているキャラクターが英語でしゃべることもあるので、これはきっと、神が英語をやれと言っているのだろうと。……頑張ります。あと、お仕事の面でいえば、やっぱりお芝居がしたいですね。今は少しでも力になればと思い、自分で作った防音室でひたすら「外郎売り」をやっています。歌手活動においてはライブもやりたいですし、とにかく思い切り歌いたい! 自粛期間中も色々とチャレンジしましたが、自粛が明けてからも、やりたいことはたくさんあります。

――どれも楽しみなことばかりです! 今回のコロナウイルスは、日本のエンタメ業界にも多大な影響を及ぼしました。明るい話題・暗い話題など、内容や影響の範囲も様々です。そんな今だからこそ、鈴木さんが「エンターテインメント」に対して、どのような想いを持っているのか、教えていただけないでしょうか。

「エンターテインメント」があるから、自分は生きているなって思っています、エンターテイナーさんが、自分の好きなことや伝えたいことを発信しているのを見るだけで、自分も「頑張ろう!」って気持ちになるんですよね。反対に、私自身がそういう活動をしたときは、喜んでくださる方がいらっしゃることが、パワーになっていました。

「#みのりんごとおうち時間」を企画する前、実は私も少しネガティブになっていたんです。一人暮らしゆえに寂しい気持ちもあって。でも、アーティストさんや声優さん、またYouTuberさんなどが色々な取り組みをされているのを見て、すごく元気をもらいました。やっぱり、私にとっては、なくてはならない存在なんだと思います。

――最後に、読者の方に向けてのメッセージをお願いします。

「#みのりんごとおうち時間」は自分が予想していた以上にたくさんの方に見ていただけたので、やってよかったなと思っております。自分が発信することを喜んでくださる方がいるんだと実感でき、自信にもつながりました。本当にありがとうございます。

今はポジティブな気持ちでいますが、それでも一人でいると暗い気持ちになるときがあって。そういうときは、SNSなどから目を離して、自分の好きなことを考えたり、触れてみたりしています。そうすると、気持ちが少し楽になるんですよね。今暗い気持ちになっている皆さんも、ポジティブに自分との付き合い方などを考えてみれば、きっと楽しいことが見つかるはず。その中で、私の配信や歌が少しでもチカラになればいいなと思っています。
○●鈴木みのり配信シングル「エフェメラをあつめて」

発売日(配信日):6月3日
作詞:やなぎなぎ
作曲・編曲:kz(M.TOKU )

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